直線上に配置

My JST-245

 我が家の日本無線JST-245D改は既に10年選手ですが、聞き疲れしにくい音質で長時間ワッチに手放せない逸品と感じています。

購入時はHF100W,6m50Wでしたが全バンドとも150Wに調整増力しています。

JST-245Hは始めから150W機として生産されているので、内部のアース処理や回りこみ防止等に配慮されているそうですが、初期のDタイプで増力できたのはラッキーでした。
    ↑手前の白い箱はPC/MIC自動切替器
アンテナを繋がずに初めて電源を入れたときスピーカから聞こえるノイズが小さく、信号を受信してみた最初の印象は「なんだか感度悪いぞー」状態です。
Sメータは振れないし妙に静かだし・・

しかしながら聞き込んでみると、メータが振れなくても結構聞こえていることが判りますし、感度測定しても悪い値ではありません。 

バックノイズが少なくSメータの振れが辛いうえ、内臓スピーカがイマイチなので、感覚的な感度が悪く感じるのでしょう。 

現在AMECO PT-2プリアンプをゲイン絞り気味で自作の低利得(約7dB)プリアンプを必要に応じて接続していますが、たいていの信号はプリアンプを使わなくてもAFボリウムを上げれば聞こえてきます。
よほど外来ノイズが少ない時でないと、Sメータがよく振れるという以外の効果は感じません。

近隣の山岳移動局等の信号にもそれなりに耐えてくれますし、信号を実際に受信してみるとCWは断然聞きやすく、AMもクリコンと組み合わせてエアバンドを聞いていますが、これほど良い音だったかと感心していますしACARSもノーエラーでデコードできます。

NBは受信音への影響が少なく良好ですが、ノイズの種類によってまったく効果なしという場合もあります。
特に弱い信号を受信するときにはヘッドホン(エレガDR-631C左写真)を使うのですが、このヘッドホンは音が交じり合わずに聞こえるため、「信号が浮く」かどうかが良く判ります。

JST-245では信号が浮かび上がって聞こえますので、受信系の素性も良い様です。
手持ちの他のリグを聞いてみるとJST-245の様には浮きません。
最近の高級機は試してませんが・・
送信ファイナルは150W連続を考慮しているということなので余裕があるようです。
ただし壊すと既に石が入手できない状況です。

HALPSKでPSK31を運用すると相手のIMDが表示されますが、頂いたレポートでは「良い部類」だそうで、やはり一味違うかも。
ダメな点もいくつか・・

私の初期DタイプではRS-232Cリモートで、内部ステータスが正常に得られません。

ステータスレポートを要求しても最新情報ではなく、以前に発生している情報がちぎれて送られて来ます。  初期ロットとはいえメーカーらしからぬ出来です。
データ自体がおかしいのでハムログにつなぐと周波数・モードを拾ってはくれますが、時々変な表示になります。
故障判定、修理については後述「CPUを交換しました」をご覧ください。

ノッチも以前使っていた八重洲やケンウッドのリグではノッチの周波数だけ信号を抑圧しましたが、切れは悪いし全体のレベルが下がってしまって使用に耐えません。 
ハムフェアでメーカーが展示していたセットも同様でしたので個体不良ではないようです。
その後、ノッチ回路の調整でノッチ深さは十分なところまで改善できました。
気づかずに触ってしまったのか調整が狂っていたのが原因でした。
ノッチ使用時の受信レベル低下も調整前より少なめ、少し良い感触になりました。

調整法については後述「1号機のノッチを調整しました」をご覧ください。

時々ダイヤル回転時やSメータ変化時に受信機にプチプチノイズが入ることがあります。
「あれ、今日は入らないなぁ」ということもあり、外部のケーブル引き回しなどの影響があるかもしれませんが、いまだに謎です。


操作性について

JST-245の操作性についてはあまり評判がよくない様ですね。
他社と異なるので使いにくいということがよく書かれていますが、他社のリグを使い込んで居る方が突然違うメーカーの機種を使えば当然の様にも思えます。
自分では普通に使っていますので本当に操作性が悪いのかは判りませんが、こんな機能もあったのかという驚きは今でも時々あります。
マニュアルに書いてない機能もあったりして・・

自分が求める機能で搭載されてない、またはイマイチの項目
 ・クロスモードのスプリット運用ができない
   SSBで出ている相手をCWで呼ぶこともある(知っている局限定ですが)
 ・スプリットモードをメモリできない 
   移動予告に対してクロスモードスプリットの事前仕込みをしたかった
 ・メーター(終段電流-SWR-ALC-コンプレッション)切替が送信時しかできない
   電信モードでは送信状態の監視がやりにくい
 ・テンキーではMHz入力しかできないので毎回ピリオド入力が必要
   どうせならkHzにしてほしかった

JST−245 2号機


 JST-245Hを周波数不動のジャンクということで入手しました。
メインダイヤルは不動ですがリモートからは正常に操作でき、1号機同様の音質で一応送受信できるので致命的問題ではなさそうです。

まずはロータリエンコーダが怪しいということで交換してみましたが変化なし。

次にCPUの入出力を見ると、エンコーダを回すことで何か反応しているようです。
      機銘板が違うだけで同じ顔 
検討中に、たまたまマイク基板のアース線を外したところ、周波数がスキャンし始めたので、アップダウンスイッチ系を点検すると、ダウン側がローに落ちています。

回路を追っていったところTX-RXユニット裏のチップコンのリークと判明、代替部品と交換しました。 (基板を裏返すのが面倒なんだよねー)。

交換後マイク基板のアース線を復旧したところ今度はアップ側にスキャンを始めました。
マイク基板を裏返してみると、アップ信号ラインに後付した怪しいチップ部品があります。
これを削除したらメインダイヤルが動作するようになりました。

周波数がスキャンするのを止めようと対症療法をしたらしく、アップ・ダウン両ボタンが押された状態と同じになっていた副作用でメインダイヤルが動かなかったということでした。

メインダイヤルも動き出したので、アンテナをつないで実際の信号を受信してみることにしました。
信号が聞こえてきましたが、245DよりSの振れが悪く、時々受信できなくなります。
受信できずは叩くと直るので、どこかで接触不良がおきているらしいのと、Sメータに関しては再調整が必要でした。

受信できている時にSGら信号を入れて感度の確認を行いました。
AGCもいじられていてSメータ設定と両方で追い込みが必要でしたが、実際の信号を受信してみた感じでも245Dと同等まで調整でき、FMセンターメータ指示も確認してOKとしました。


受信できなくなる現象は、HF/6m共に起きるのでIF部分と目星をつけました。
最初アンテナ切替ユニットを疑いましたが、叩いても鈍感で違うみたいです。
ATU付近を叩くと、こちらのほうが、やや敏感ですがATUはHFのみなので振動が他の箇所へ伝わっているはずです。

次にTX-RXユニットを叩くと、結構反応があります。
ユニット内のあちこちを叩いているうちに、9MHzフィルタ(丸印)付近が特に強く反応しました。

そこで、また面倒なTX-RXニット裏返しを行ってフィルタ付近を見ると・・
なんと標準付属のはずの9MHzSSBフィルタの足4本中2本がはんだ付けされていません。 フィルタを一度外して戻した様に見えます。

送信電力は購入前情報で120〜130W、手持ちの測定器でも同様でした。
出力を上げる方向にやや余裕がありましたので150W(CW)に設定できました。
設定後、本体出力メータの指示が200W近くを示しています。
ヲイヲイ、こんなところもいじったのかい・・ ということで指示値も調整。 

ついでに移動局に転用する場合に備えて50W設定もやってみました。
左の写真では見難いですがPoつまみ右いっぱい(赤矢印)で50W、メーターも正常に指示しています。

周波数はほぼ合っていますので、微調は後日としました。

ROMを245Dに移植するとリモート系が改善するのか?

245HのRS-232Cリモートはマニュアルどおりにちゃんと動いていますので、245HのROMを245Dに入れてみましたが改善しませんでした。
症状から考えて制御CPU不良の可能性が高いと見当をつけました。

その後の修理については下記「CPUを交換しました」をご覧ください。


CWフィルタを追加しました。

6mの混み方では455kHz1本入れれば十分だし、RTTY運用も視野に500Hzのフィルタとしました。 
入れたフィルタはCFL-232ではなくYG-455C-1【ケンウッド】です。 

ネット検索中に両者は同じNDK製YF455DQという情報を見かけてのトライでしたが、私のところでは問題なく使えています。

SWR指示に不具合(振り切れ)を発見しました。

SWR検出回路は正常に動作している様子で、進行・反射ともそれなりに電圧がでています。
進行側のアナログポートまで電圧が来ていて、反射側電圧を0にしてもSWR表示が振り切れますので制御IC(CPU)アナログポートの不良と見当をつけました。

SWR指示不良の内臓ATUへの影響ですが、回路上、ATUのSWRは別経路で読み取り、制御しているのでチューニング動作は正常に行われているようです。
ただ14と18MHz帯でダミーロードをつないで150Wキャリヤを出すとSWR警告が点滅します。100Wだと大丈夫ですし、他のバンドでは問題ないので検出回路の特性かもしれません。

アラーム検出感度を下げるとチューニング精度も下がってしまうのと実用上問題はないのでそのままとしました。 
(Poメータを振れ気味に調整すれば見かけOKにはなります。)
実際のアンテナに繋ぐとどうなるかですが、環境がないので確認できません。

SWRメータの修理については下記「CPUを交換しました」もご覧ください。

既に入手できない部品もありますので何時まで使えるか判りませんが、50Wに内部調整してTSSの保証認定が取れましたので移動用に使いながら、移動しない局のバックアップに使用します。


□□□□□□□2008.3.9 最終更新'09.01.29

JST−245って感度悪い?


JST-245は感度が悪いという記事を見かけます。
自分でもJST-245購入当初は同じ印象を持った覚えがありますので、簡単ですが以前のメイン機だったFT736(50MHzユニット入)と6mバンドで比較してみました。
文中の@はJST-245D、AはJST-245H、BはFT-736で、JST-245はRFアンプをオン、TONE(受信音質)は通常使っているロー側いっぱい位置にしています。

 S/N10dB感度     @ −13   dBu
           A −12.5 dBu
           B −13   dBu
 S9 の入力レベル  @ 28    dBu
           A 27    dBu
           B 28    dBu
 S9 のS/N      @ 31.5  dB
           A 32    dB
           B 27    dB
 S5 の入力レベル  @ 16    dBu
           B 12    dBu
 S5 のS/N      @ 30.5  dB
           B 27    dB
 S/N10dB時のオーディオ出力(S9のときを0dBとした場合)
           A −20.5 dB
           B −18dB dB

通常dBu(dBμ)表示の場合は開放端値、μV表示は終端値で示されるので、その前提で検討します。 
終端値は、同じ入力レベルでも開放端値と比べて数値が半分になります。
一定のS/Nを得るための入力が小さいほうが高感度ということですので、実際は同じなのですが、終端値表示のほうが2倍良く「見え」ます。
私の測定値はdBuですので開放端値です。

結果から見ると2台のJST-245のS/N10dB感度は仕様値(-10dBu) を超えていて、FT-736も終端値に換算すると0.11uVとなり、仕様値(0.12uV)を超えています。
2機種はそれぞれの仕様値を満足し、S/N10dB感度はほぼ同じであることが判ります。
各機種の実力もさることながら、カタログ数値はメーカーによって最良(期待)値、標準値、最悪(保証)値の場合がありますので数字だけでは実態は判らないですね。

S9の所要入力を見ても両者ほぼ同じです。
S/NについてはJST-245が圧倒的に良いことが判ります。

ところでS5感度を見るとJST-245は4dBu低くなっています。
下図は入力対SのグラフですがFT-736は低入力域から振れ始め、JST-245は低入力域で立ち上がりが遅いことがよく判ります。
それとJST-245のS/N10dB時の出力音声レベルがFT-736に比べて3dB近く小さいことも判りました。

JST-245の受信機の特徴をまとめると
「受信限界付近で音が小さく、弱い信号のSメータの振れが悪く、全般にノイズが少ない」ということになります。

「音が小さいのはボリウムをあげれば良いし、ノイズが少ないのでSメータが振れなくたって聞こえているから十分」と思うか、「高感度な受信機はノイズが結構聞こえてSメータが景気良く振れるものだ」と思うかで評価が異なるように思えます。

以前からJST-245Dにゲイン6dBほどのプリアンプを接続して運用していましたが、Sをメーター読みしても良い程度に振れてくれますしカラSも振れません。
入力対Sのグラフをプロットしてみて改めて納得した次第です。

*プリアンプ挿入によるS/N 10dB感度は測定誤差程度の変動、低入力時の音声レベルがアップ、高入力時の飽和も実運用で問題ありませんでした。
カラSが振れない程度のゲインと言うのがツボのように思えます。



□□□□□□□2008.6.16

2号機をまた修理しました

 以前に何回か送信できなくなってすぐ自然復旧する症状があったのですが、「時々送信できる」に変ってきました。
其のうち直そうと放っておいたら、ほとんど送信できなくなっただけでなく受信まで感度不良になってしまいました。 
原因がわかってみれば「なぁ〜んだ」なんですけど、一見重症です。

状況を確認しようとTX/RX基板単体で動作させながら別の受信機で6mをモニターし、AMモードを送信すると、弱いですが無変調キャリヤが受信できます。
SSBでは何も出てきませんのでバラモジ付近に故障があることが判明しました。
当初の症状どおり、たまにSSBがまともに出てくることもあります。
出たといっても送信出力は6mで100mWも出てきません。
SSBが出て来た時にバンドを切り替えると、下のバンドほど出力が小さくなります。
パターンが切れて小さい容量で結合している感じです。
受信感度も下のバンドほど悪くて、送受共通でバンドに関係する部分に別の故障がおきていることも判ってきました。
同時に2箇所のトラブルとは・・

まずバラモジ付近から修理を試みました。
オーディオアンプ1〜マイクボリウム〜オーディオアンプ2〜バラモジの系統です。
信号を追ってみるとバラモジ入り口のテストポイント(TP)に信号がきていません。
オーディオアンプ2のはずの出力には居ますから関連する部品は数個です。
基板を裏返して見ましたが、パターンがシルクなどもあって追えませんので付近のそれらしきチップ部品とジャンパー線の導通試験、抵抗値確認・・・あれ異常ない。
念のためオーディオアンプと周辺のチップ部品、スルーホールにはんだコテを当てておきましたが状況が変りません、やり直しです。

オーディオアンプ1,2は実は1個のICです。
もう一度オーディオアンプ2のはずの出力にオシロを当てながらマイクボリウムをまわしてみると、マイクからの音声は音声は常に出たままで変化しません。
オーディオアンプ1のはずの出力を見ると出ていません。 出ないものが2の出力に出ることはありませんよね。 
回路図のピン番が入れ違っていたことが、ここで判明。 JRC(°゜)バキ!☆\(--;)
再現性が悪いこともあってここまでで1日かかってしまいました。
となると、今まで見ていたポイントはオーディオアンプ1の出力です。
その後の観察でオーディオアンプ2に信号があればTPに信号が来ることが判りましたので、オーディオアンプ1から2の間に問題がありそうです。
この間ってマイクボリウムへの往復だけです。
コネクタの所で確認すると、オーディオアンプ1の出力がもっどてないことが判り、結局操作パネル側にあるマイクボリウムのコネクタが「僅かに」緩んでいたことが原因だったようです。
そのコネクタを触ったときに、少し中まで押し込めた気がした程度です。
その後現象は出ていませんので、ボリウム側の基板もはんだコテを当てて終了としました。

次は送受不良の修理です。
送受共通でバンドに関係するところですから周波数が一定のIFは除外できます。
TX/RXユニットの出力およびアンテナ入力端子で症状が出ていますのでかなり絞られました。
バンド毎のバンドパスフィルタとプリアンプ入力の間のTPを触ると、かなりノイズが聞こえますが、アンテナ入力に触ってもノイズはほとんど大きくなりませんし、低いバンドに行くほどノイズは小さくなります。
どうもこのあたりのようです。 パターンが切れているのかなぁ?
アンテナ側にSGをつなぎ、バンドパスの出口で見ると40MHz付近にピークがあり上下とも落ちていく特性が見えます。
バンドを切り替えても特性が変りませんし、ピークがあるということはパターン切れではなくバンドパスユニットが切り替わってないらしいということになってきました。
バンドパスを切り替えるダイオードスイッチをドライブしているICの入出力を調べても変化していません。  制御CPUかI/FのICでも壊れたかと心配になります。

パネル裏側にCPUがありますが、開ける前にCPUリセット・・・・直ってしまいました。
他の操作は普通にできていましたのでCPUトラブルとは考つきませんでした。

ついでに、バンドパスの特性をアマチュアバンド中心に若干調整しなおして終了です。
CPUがコケた原因は判りませんが、放っておいたら故障状態になったのでバックアップ電池(3Vリチウムボタン電池)が切れ掛かっている位しか思いつきません。
外した電池を測ってみたところ3Vあり原因ではない様です。
知らないうちにどこかを触ってしまったのかもしれませんが症状が再現できません。
開いたついでなので一応新しい電池に交換、リセットして終了としました。

これで2号機も復帰です。 修理費払わないで済んで助かったぁ〜。

高安定水晶の周波数も合わせなおしました。
アンテナをつないで受信すると、全般にやや高い周波数表示にあわせたときに正常な音調で受信できますので内部周波数が低いようです。
カウンタで測定したところ-45Hzでした。カウンタは未校正ですが調整後に10MHzの標準電波を受信するとピッタリ合っていますので信用してよさそうです。
調整はトリマを回すだけですが、これが極めてシビアで、すこし触ると数百Hz動いてしまいます。
なんとか合わせこみましたが維持できるのか心配ではあります。

□□□□□□□2008.11.8

2号機に自作モニタユニットを装備しました
(ユニットの回路などは別項に掲載)←ここをクリック

 送信中に自分の音声がモニターができなくても交信するには支障ないのですが、1号機には初めから装備していて、気づいてみればいつもONにして使っています。
PCから音声を接続して送信する時、内容を聞ければ間違った情報をアナウンスしても判りますし、録音するにも送受両方の音が録れるので好都合です。
ヘッドホンを使っているときに、ついつい声が大きくなるのも防げます。

現在ではモニタユニットオプションCMF-144はまず入手不可能で、使われていたバラモジSN16913Pも入手困難ですのでデッドコピーもできない状況になっています。
そこで入手可能な部品で再設計・製作して搭載することにしました。
JST-245と接続するためのコネクタ、ケーブル以外はサトー電気でも調達できますが、基板用コネクタは生産終了が近いようです。

ユニットの機能は局発外付けのシングルスーパーSSB/AM受信機で、同調回路は455kHzセラミックフィルタが1個だけという簡単なものです。
マイク回路の音声をモニタ回路に単純に戻す方法も併せて検討した結果、CMF-144と同じにIF信号を復調することで回りこみ等の異常も判るのでははないかと考え、同等の構成に落ち着きました。

CMF-144のAM検波は簡易形とはいえ同期検波のためS/Nが良く、無変調時は音がほとんど聞こえないこともあってSSBを聞いている感じに聞こえます。
一方自作ユニットはダイオード検波にしましたのでAMらしいシャーというノイズも聞こえて低音域も出てくるので「いかにもAM」という音がします。
相手が聞いている音は大概この音だと思いますので、これはこれで良い感じです。
自分の送信音声が聞こえるかどうかはちょっとした差なのですが、運用上は結構使い勝手が良くなるのを改めて実感した次第です。

□□□□□□□2008.11.20

CPUを交換しました


 1号機はRS-232Cステータスデータが不正です。
正常な動作をしている2号機のROMでも同じ症状で、回路構成などを検討した結果、CPU不良の可能性が最も高いと判断しました。

2号機はSWR表示が不正です。
CPUの入力ピンまでは反射波に相当する電圧が来ています。
その他の進行波に相当する電圧などのアナログ信号の表示や、BWCなどアナログ電圧による制御は動作していますので反射波電圧読み込みポートだけが故障と考えられます。

不具合解消のためには2台ともCPU交換が必要という判断になりましたが、CPU(NECのuPD78213GC-AB8)は既に販売店の広告からも姿を消しています。
幸い生産完了品を扱う商社で個人も相手にしてくれる会社が見つかり、2個入手することが出来ました。
部品は入手できたのですが、QFPという14mm角の4方に0.8mmピッチで16ピンづつ足が出ているICのため基板からICを外す作業が次の難題になりました。
判断が絶対に間違ってないという自信があれば、ICの足を切り飛ばして外せるのですが・・・  万一の再使用を考えてキレイに外したいところです。

QFPの外し方をネットを探していたところ
Chip Quik SMD1というのを見つけました。
60℃以下で溶ける特殊な合金(右下)、注射筒入り専用ペースト、清掃用パッドが入っていて7〜8個は外せると書いてあります。
メーカーサイトだと現在送料$16+送料$14('20.10現在)で購入できるようです。
私は,あわてて国内で買ったので倍ぐらいかかりました。(T T)

CPUユニットはフロントパネル内側のディスプレイの下にマウントされています。
コネクタが沢山刺さっていますので、ハーネスの前後関係とスタイルを崩さないように外してから横へ抜きます。 
下の写真手前は外したCPUユニットで左端にはバックアップ電池を外した電池ホルダーとROMが見えます。


右写真はCPUユニットのCPU(中央のIC)付近です。
下側の水晶以外は周辺に余裕があります。
水晶を外してマスキングテープでCPU周りを保護してから作業にかかります。

まずChip Quik SMD1のペーストをQFPの足に少量づつ塗布し、次にハンダゴテで特殊合金を元のハンダに馴染ませるように載せていきます。

私の使っているコテは15Wですが、4方の足に特殊合金を載せ、コテで2周なでたところでピンバイスに付けた針で突付いたら、あっけなく外れました。
外した後、パターン部を「平ら」にきれいにするのがポイントです。
残った金属は編組線(ソダーウイック)で取り除いてからアルコールをつけた綿棒で擦ってペーストをふき取ります。
写真は清掃済の状態です。
パターンがキレイに平らになっていれば、新しいICを載せてハンダ付けするだけです。
位置を合わせて何箇所か先にハンダ付けして固定します。
他の足に隣とブリッジするくらいにハンダ付けしていきます。
余分なハンダを編組線で取り除き、念のためハンダが付いてないコテ先で全部の足を押さえました。
アルコール綿棒で清掃して終了です。

CPUを交換したので全機能をチェックし、1・2号機とも全機能の動作を確認できました。
これで完動状態に復帰です。
たいした支障はなかったものの、気になっていた症状が解消できたのでホッとしています。

面倒な作業はCPUユニットにたどり着くことと、大量に刺さっているコネクタの取り外し・復元だったと思います。
ハウジングにコネクタ番号が捺印ありますし、電線に癖が付いていますので挿し間違えることはなさそうです。
実際の作業では捺印が見難いので、手前になっているハーネスから順に紙テープで番号をつけながら外していき、ハーネスの重なり関係も復元できるように作業しました。

作業中に短絡などして何かを壊さないように、バックアップ電池は外しています。
従ってユーザー設定とチャンネルデータが飛んでいますから復旧しなくてはいけませんが、これも結構面倒な作業です。
これはTere Termのマクロにユーザー設定とメモリデータを記述しておいてJST-245のRS-232Cに流し込むことで解決しました。
特に1号機はデスクトップPCとRS-232Cでつながっているので、TCP/IP<>RS-232C変換ソフトを走らせておくことでノートPCからも無線LAN経由でもデータの流し込みができ、たいへん便利でした。
今まではステータスが不正でしたからRS-232Cの利用を真剣に考えてなかったのですが、この手はいろいろ便利に使えそうです。
2台を全く同じ設定にできますので使い勝手がとても良くなりました。

以下は今回作ったチャンネルデータ設定マクロです。
データを並べただけの簡単なもので、フロー制御もしていませんので適当にポーズを入れています。機能豊富なマクロなのでもっとスマートな組み方があると思います。
([IP address]:[Port]は記述する場所を示します。チャンネルデータは一例です。)
; Open Tera Term
connect '[IP address]:[Port]'

;Antenna
ANT1='1'
ANT2='2'
ANT3='3'

;Band width
WIDE='0'
INTR='1'
NARR='2'

;Mode
AFSK='0'
CW='1'
USB='2'
LSB='3'
AM='4'
FM='5'

;AGC
SLOW='0'
FAST='1'
OFF='2'

;Set Remote mode
send 'H1'#13

; Send Channel memory data.......
send 'K001' ANT1 NARR CW '50037000' FAST #13
send 'K002' ANT2 INTR USB '14150000' SLOW #13
send 'K003' ANT3 WIDE AM '01242000' SLOW #13
pause 1 ;←JST-245のCPUが遅いので取り落とし対策にポーズを挿入
   ・
   ・
  途中省略
   ・
   ・
send 'K200' ANT1 NARR CW '50075000' FAST #13
pause 1

;Set Local mode
send 'H0'#13
pause 1

disconnect
closett
end
              .
                            □□□□□□□2010.09.15


マニュアルに無いコマンド(メモ)

元記事は不明ですがマニュアルに無いコマンドについてネット上に情報がありました。
テストしてみたところ、高IP/低NFは受信ノイズが少し変化しますが測定はしていません。
 ※ 2020.6.8追記 高IPに設定すると送信出力が出ず、低NF側では出ます。
   今まではデフォルトの低NFで使ってましたので気づきませんでした。

その他は情報どおり設定ができました。
*(0)/(1)は「RIT/XIT」ツマミにより設定する項目を示す。

FUNC + RF AMP・・・・RF AMP特性 高IP(0)*/低NF(1) *送信に影響
FUNC + METER・・・・・LCD全セグメント点灯
FUNC + USB/LSB ・・キャリアポイント調整(「RIT/XIT」ツマミ使用)
FUNC + TF/RF ・・・・・SPLIT時「TF/RF」プッシュで
             送信周波数表示(0)/送信周波数表示+受信(1)
METER +電源ON ・・・Sメーターピークホールド設定/解除
AGC長押し・・・AGCオフ(Tnx JA1ATR)

以上のパラメータはRS-232Cからの設定方法が判りません(無い?)ので手動で設定しています。

                      □□□□□□□2009.10.30/2020.06.08


1号機パワー出ずのトラブル発生・・2号機と同じ?

 前夜までは何も問題なく働いていたのですが、翌日夜にパワーが出ない症状が出ました。
FMモードでPoツマミを最大にすると若干パワーメーターが振れる程度です。
パワーが出ない以外は正常に操作もできていて、受信感度の低下も、あったとしても気づくほど大きくはありません。 

以前から年に数回程度ですが送信パワーが出なくなる現象があり、電源オンオフとかバンド切替を繰り返すと復旧していたのでリレーの接触不良を疑っていました。
ところが今回はそれらの方法では復旧しません。

2号機のCPUがコケて同様の症状になったことを思い出して

    CPUリセットを実行したところ復旧しました。

CPU周りに何か潜んでいるようです。
2号機が来てからROMを2号機と同じバージョンに換えていますので、その影響があるかもしれませんし、どこか部品の経時変化が影響しているのかもしれません。

今のところ稀にしか起きないのと、対症療法は判ったので、当面このまま使います。
部品の経時変化が関係しているなら、だんだん頻度が上がるでしょうね。

                          □□□□□□□2009.01.31


1号機のノッチを調整しました

 このホームページをご覧の方からノッチの周波数がはずれ気味で調整したいというメールを頂きました。
今まで触ったことが無かった部分でしたので気になって1号機と2号機を比べてみると、2号機ではS9の信号がノッチでSが振れないところまで下がるのですが、1号機では下がりきれません。
ノッチツマミのセンタでの周波数も少し違っています。

少しずれているだけなので故障は無く調整だけで直るだろうと推定して調整してみることしました。
メーカーの調整目標値が判りませんので自己流です。

□必要な測定器
 信号源としてレベルが0dBu程度まで絞れて周波数も安定な信号が必要ですのでSG
 を使用します。
 ノッチ効果はオーディのビート信号のレベルを見ることにしてオーディオスペアナを用
 意しました。
 レベルメータやオシロではノッチが効いたときにビート音とノイズを区別しにくいのです
 がスペアナなら一目瞭然です。
 オーディオスペアナはPCにWaveSpectraというソフトをインストールしたものです。
 音関係では有名なソフトとのことで、こういったソフトをフリーウエアで使用できるという
 のは大変ありがたいことです。

□ノッチ周波数調整
 1 SGを任意の周波数(今回は50.200MHz)、レベルは仮に10dBμEMFに設定。
 2 受信周波数をUSBモードでSG-1kHzに設定する。
 3 PCのスペアナを起動し、RXのボリウムでビート音が歪まない範囲に調整する。
 4 ノッチをオンにしてノッチが最も効くところにノッチツマミを調整する。(動作確認)
 5 受信周波数をSG-3kHzに設定する。
 6 スペアナで3kHzのビートを確認しノッチが効くことを確認する。
 7 受信周波数をSG−300Hzに設定する。
 8 スペアナで300Hzのビートを確認しノッチが効くことを確認する。
 9 6〜9項の確認で調整範囲に入っていないか偏っている場合はT57で調整する。
   ピークが狭いので、ノッチツマミ位置と周波数を確認しながら少しずつ動かすこと。
   今回の調整では角度にして10度以内(だったような・・・)

 調整後SSBモード1kHzノッチの位置は1時くらいになり、300〜3kHzもツマミの範囲
に入っていることを確認しました。

□ノッチNULL調整
 1 受信周波数をSG-1kHzに設定する。
 2 ノッチツマミを調整し最も抑圧できるところにセットする。
   できるだけ精密に合わせること。
   2号機ではノッチでS9の信号がSメータが振らなくなるまで下がったが、1号機は
   S1の目盛りまでしか下がらないのでRV9を調整することにした。
 3 ノッチツマミの調整とノッチオンオフを繰り返しながら、SGのレベルを下げていく。
   AGCが効いているとノッチが見かけ上浅くなるめ、変化が測定できる範囲でSGレ
   ベルは小さいほうが良い。 
   リモート端子からAGCオフが設定できるが面倒なので省略(^^;
 4 ノッチ効果が不足している場合はRV9で最もノッチが深くなるところに調整する。
   RV9は連続して回ってしまうが、抵抗値がジャンプする付近で最もノッチ深くなる
   のでピークを求めると調整がとてもクリチカル。 
   -45dB程度まで行きそうだが難しいので、-40dB程度を目標にすれば比較
   的合わせやすい。

 調整後、ノッチオンでビートが(オーディオスペアナにて)-40dB下がりSメータが9から振れなくなるまで下がるようになりました。

□確認
 最終的にトラッキング動作を確認する。


□ノッチNULL再調整 最初のNULLは偽者? 

 前項調整の後、数日でノッチが落ちなくなりました。
 再度調整しても翌日には落ちなくなって安定しません。
 RV9を回すと動作状態がジャンプするので気になっていたところですが、少し触るだ
 けでノッチ動作が回復するので接触不良が起きていることが判りました。

 こんな不安定な箇所に最良点があるのを不思議に思って、さらにボリウムを回してい
 たら、最初の位置から反時計回り約30度の位置にもNULL点が見つかりました。
 こちらが本来のポイントなのか前の位置より素直に調整できます。
 ノッチ深さは前回同程度まで落とせました。
 この半固定抵抗は連続して回ってしまいますので、終端部でたまたま落ちたというの
 が不安定の理由でした。

 その後も安定しています。 (10.09.15)


ノッチが全く効かない、ノッチ周波数が動かない、調整範囲が極端に偏っているなどの場合は何らか別の故障が生じている場合があります。
調整を行う場合は自己責任でお願いします。


調整箇所は455kHzフィルターと電源部の間にあります


ファームの通信異常再発

 1号機でCPU交換前と同じ、Tubo-Hamlogで周波数とモード表示が時々拾えない、間違えるという症状が発生しました。

変だなと思いつつも暫く使っていたのですが、たまたまターミナルをつないだら周波数情報の電文とリターンの位置関係がずれていて、CPU交換前と同じ状態です。
またCPU?かと気が重くなりましたがリセットを実行したところ復旧。

このファームはトラブルが起きると電源オンオフでは解消しないことがあるので、普段から動作状態に気をつけておかないといけないと再認識しました。
思い当たるのは、エラーを起こしてAGCオフの状態を強制的に作る実験をしたためではと疑っていますが、面倒なので再現実験はやめておきます。

その後もハムログから周波数などの読み取りが不調になり、調べたら同じ症状だったことが数回発生しています。
ファームのバグですが、原因が不明でリセット以外に対策がありません。

毎回リセット後のパラメータとメモリーの復旧にTeraTermを使ったマクロが活躍しています。
メンテされるユーザーには便利なので作っておくことをお勧めします。(10.9.15)


ファームの動作異常2009.10.30

 1号機の電源を入れてふと見ると、いつのまにかSPLITのLEDが点灯していました。

SPLITボタンを押せば消えるのですが、VFOA/Bやメモリモードでチャンネルを切り替えるとSPLITが再び点灯します。
メモリにはSPLIT設定はしていませんし、この症状は入手以来初めてです。
最近は何もいじってないので原因も特に思い当たりません。

今回もリセットしてユーザデータとメモリデータの再設定を行いました。


ファームの動作異常 2 2010.10.24/2011.01.04

 1号機でメモリーしてある50.550MHzAMでロールコールのキー局を聴こうとしたときですが、キー局の周波数が上にずれて聞こえていたので、合わせ直して呼んでもなかなか取って貰えません。
やっと取って貰ったところ、私の送信周波数が下にずれているとのこと。
送受信周波数が不一致なだけでなく、表示と送受周波数も合っていません。
こんな現象は初めてです。


JST-245はCPUが異常動作になると各段局発の周波数が異常になる可能性が有ります。
リセットで正常に復しました。


ファームの動作異常3 健忘症発症→復旧しました2010.12.31/2011.1.4/2011.2.23

 1号機の10・18・24MHz帯でバンドスタッキングレジスタが周波数やモード、アンテナを覚えてないことに気づきました。
パネルから各種操作は普通にできるのですが、他のバンドに行って戻ってくるとそれらのバンドだけは初期値(周波数、モード、アンテナ切り替えなど)に戻ってしまいます。

2011.1.4 
10MHzと24MHzの2バンドがNG、18MHzは当初NGだったのが触っているうちに正常に動き始めました。
リセット、バックアップ電池および制御ROMとS-RAM交換では症状に変化なし。
症状が限定的なのでCPUが怪しくなってきました。

2011.2.23
触っているうちに、10MHz帯も正常に動き始めました。
どうも設定周波数がバンド内にあるうちに他のバンドに行けば、周波数・モード・アンテナはそのまま記憶していて、バンドエッジから±3kHzを越える周波数から他のバンドへ行くと、バンドエッジ付近の(バンドエッジの周波数ではない)周波数を記憶しています。
一度もバンドエッジ±3kHz以内での記憶動作が行われないと、周波数・モード・アンテナはROMに書かれた初期値に戻ってしまうということのようです。

動作がNGだった24MHz帯でも、バンド内周波数→他バンド→24MHz選択で正常動作に復旧しました。

10・18・24MHz帯はROMの初期値がバンドの周波数範囲外にあるため、CPUリセット後に復旧操作が必要ということが判りました。


ATU修理でリレー交換
 2012.9.15-

 1号機で内臓ATUのチューニングが取れない(たまに取れる)不良が発生しました。

下の図はアンテナ周りの系統ですが、6m運用時とHFのチューナスルー時は問題ありませんのでチューナユニット自体のトラブルが疑われます。
HFはチューナスルー状態でもLPFとしてチューナユニットを通しているはずですので、ユニット内の一部のリレーが不良になっているのでしょう。
実際Poメータを見ながらチューニングさせると、出力が出なくなることがあるのでリレーの不良と見て間違いないようです。
JST-245はもう少し使いたいので、チューナユニットのリレーを全数交換することにしました。
アンテナ付近のRF系統          △ANTユニットK4A,5Aリレー型名訂正12.9.20
チューナユニットのリレー配置と追加工図

チューナユニットにはオムロンのG5B-1E-DC12Vというリレーが30個使われていますが、だいぶ前から入手困難です。
メーカーも面倒を見てくれないので、パターンを改造して別のリレーを載せることにしました。
同じリレーはANT-SW基板にも2個使われていますが、今回は交換していません。
今回使用したリレーは、代替推奨となっているG5Q-1Aタイプのプラスチックシール品 G5Q-1A4-DC12V です。
大きさは問題ないのですがピン配置が1箇所だけ異なります。
写真手前がコイル、奥が接点のピンです。
リレー自体の消費電流は360mW→200mWにさがります。
スッポンでスルーホール基板からリレーを30個も外すのは大変な作業ですし、部品穴付近にチップトランジスタなどがマウントされていますので、余分な故障を作ってしまう可能性があります。
今回は電動ハンダ吸取器を使用しましたので、周辺部品へのダメージは少なかったと思います。
リレーを交換した後のチューナユニットです。
足の位置が違うリレーを搭載するため、各リレーごとに1箇所穴開けし、他のパターンと干渉するところは削ったり、ジャンパー線で飛ばしたりしていますが、表から見ればきれいです。

リレーの下と裏側は、けっこう加工していますが、本体に組み込んでしまえば見えません。
 リレー30個のうち20個は穴を開けて、そのままハンダ付けするかジャンパーを飛ばすだけで簡単に搭載できます。(追加工図参照)
残り10個は上の写真のように周囲のパターンを削ってジャンパを飛ばしています。
場所によっては基板両面のパターンを加工する必要があり、加工を忘れてリレーを取付けてしまうと後が大変なので、1箇所ずつ確認しながら進めました。

組み立て後、アンテナをつないでテストしたところ、全く問題なく働くようになりました。
新しいリレーの動作音は軽い感じです。
以前にリレーの不良がやがて出るよと言われていましたので、その時期になったのかもしれません。
製造時期の遅いJST-245(2号機)は今のところ問題ありませんが、今回交換しなかったリレーも含めて対応を考えておいた方が良さそうです。
メイン(TX-RX)基板にもリレーが10個近くありますが、入手不可品ばかりなのでこちらの方が代品取付の工作が大変そうです。

外したリレーを調べてみたら
 接点抵抗をデジタルマルチメータで測ってみたところ、30個中10個ほどが0.02Ω以下で、残りは0.03以上で、少数ですが3Ωや8Ωというものもありました。
測定中に値が落ち着かずに増減変化するものが多く在り、測定のつど値が変化することから、一時的に良い値を示しても信頼できません。

0.02Ω以下だったリレーを数回ずつ再測定したところ、やはり全数が0.2〜1Ω程度高い値を示すことがあるとわかりました。
もともと低レベルの信号を通す目的のリレーではないのでマルチメータでの測定は適切ではないかもしれませんが、新品のリレーは接点抵抗がここまで不安定に変化はしません。
接点の状態が全般に悪いので、全数交換でよかったと思います。


1号機のファイナルが飛びました
 2012.9.28

 1号機で出力が十分出ない現象が発生し、電源を入れなおしたら出力が出るようになったのですが、CWで送信したら数秒後に突然電源が落ちました。

ヒューズは飛んでおらず、内部で問題が起きたことはすぐに判りました。
電源ユニットを調べたところ、特にコゲや異臭はなくきれいです。
電源ユニット 手前はメインPS 奥がサブPS          
電源部は回路図が無いのですが、総合接続図を見るとサブPSはメインPSからDC60Vを貰って降圧していますので、メインPSから見る必要があります。
ファイナルユニットへのコネクタを外して、もう一度電源を入れてみることにします。
すると電源が入りました
受信は正常で、操作に対して動作が少しおかしかったのですが、これはリセットで復旧しました。
ファイナルユニットへのコネクタを外していますので、元凶はこれです。
ファイナルユニットの電源入力がショートしていて、入手不可と言われているファイナルのFETが飛んだ気配が濃厚です。
せっかく開けた電源部は掃除して復旧しました。

ファイナルユニットにはFETが終段に12個ドライバ段に2個あります。
白灰コードのコネクタを外すとドライバの電源系統が切り離されます。
終段がショートしていることが判りました。
終段のFETは上下6個ずつ2グループに分れています。
FETを外しかけて気づいたのですが、出力トランスのリードを2箇所外すと
、どちらのグループか切り分けられます。

切り分けもせずに取外し始めましたが、4つ目で故障したFETを見つけました。(X印)
確かに単体でショートしています。
当然ファイナルユニットのショートが解消されたことも確認しています。
 故障箇所は判ったのですが、このFETはJRCにも無く、数年前から修理できないと聞いていたものです。
あるサイトで、見積もりを取ったら1個\20kだったという記述も・・・
とても手が出ませんね。

仮復旧実験 あくまでも仮です
 終段部分はFETが6個ずつ2組がSEPP接続されています。
12個のFETは電気的には同じものですから、SEPP片側グループの1個が飛んだのなら、反対側も1個減らせばバランスが取れる?かも。

やってみました
石の数を合わせただけで調整は何もしていません。

出力は・・・出ました。 故障前と変わらずフルパワー出ましたが第2高調波が多いです。
前のデータが無いので以前より増えたのかは判りませんが、この1号機に関しては外部LPFの使用で押さえ込めそうです。

ご注意
 この記事は修理の手段として推奨するものではありません。
終段部の余裕が無くなっているのは間違いありませんし、他のセットで同じ処置をした場合にどのような状態になるかは判りません。
実験する場合は自己責任で行ってください。


センサ基板・アンテナSW基板のリレー交換
 2012.10.06

 ATUと同時に作業すればよかったのですが、リレーの数が足りなくて別作業になりました。

センサ基板はG6B-2114P-DC12Vを2個交換、このリレーは入手可能です。
アンテナSW基板は同じくG6B-2114P-DC12Vを2個交換、ATUと同じG5B-1E-DC12Vを2個G5Q-1A4-DC12に交換する作業です。

とりあえず働いていることと、代品が決まらないため今回交換しないリレーが2個あります。
1つはNR-HD形で、代替する方法を検討中です。
もう1つはリードリレーなので急いで交換する必要はなさそうです。

センサユニットとアンテナSWユニット付近          
センサユニットはこのまま外せますが、アンテナSWユニットはセンサユニットが乗っている板を外さないと脱着がうまくできません。

G5B-1EリレーをG5Q-1A4に交換するため、追加の穴開けと周囲のGNDパターンを削っています。
G6Bリレーはそのまま交換できます。
(取り外す時にチップ部品を壊さないよう注意)

中央上部のNR-HDリレーとUDM-112Nリードリレーは今のところ支障ないので交換しません。
(NR-HDも生産完了で互換品がありません)
D5Q-1A4の足(>印)にからげてメッキ線でジャンパしています。
中央の大きな穴はMコネクタの芯線ですので、芯線ハンダ付けのときにチョン付けだと外れ易くなります。

左下の黄色い線はスルーホールの補強用で、無くても問題ありません
リレーを交換した基板です。

上:センサユニット
下:アンテナSWユニット
 これらの基板を元通り組み込んで、交換作業自体は終了です。

今回交換した各リレーは、アンテナ1〜3の切替、HF/50MHz切替、ATU動作に関係しますので、各切替動作と送受信の確認を行って完了となります。

動作確認中に50MHz帯のS9レベルの信号を入力しながらアンテナを切り替えると、Sメータは振りませんが聞こえました。
何もしてない2号機(JST-245H)も同程度でしたので問題はありません。

ATUチューン時出力再調整
 今回のリレー交換とは関連がないと思いますが、バンドによってATUチューンが取れない症状があったので、再調整しました。

ATUチューンが取れないバンドではPoメータが振れないことから、出力が小さすぎてSWR検出ができない様です。
この状態は時間がたつと出力が上がり始めて正常になることもありますが、バンドごとに出力がばらついています。
以前、ATUチューニング時の出力を絞ったことがありますので、前回調整以前のPoメータの3ドット目が半点灯〜点灯状態になるよう再調整したところ、各バンドでの出力がほぼ一定になり、安定に動作するようになりました。



1号機 RXINジャック修理
 2014.10.11

 1号機のアンテナケーブル付近を触ると受信信号が変動する現象があり、今までは症状がでても一時的だったのが頻発してきたので修理しました。

アンテナ端子付近を少しずつ動かしてみると、ANT-OUTとRX-IN2つのジャック付近のケーブルを触るときに信号が変化することがわかりました。
さらによく見ると、RX-INジャックがすこしぐらついていますので、ハンダクラックか悪くするとジャックの破損が疑われます。

ジャックの状態を確認するため分解してみました。
上下ケース、リアパネル、PAユニットのネジを外していきます。
リアパネルはDサブコネクタの支柱もはずす必要があります。

目的のジャックはTX/RX基板に着いていますのでPAユニットの載っている部分をどかさないといけないのですが、完全に外すのは大変なので、電源から来ている紅白のDCコードとTX/RXユニットのリアパネル側に接続してある同軸ケーブル2本を外すだけの手抜き工法にしています。
PAユニットが有る程度フリーになりますので、TX/RXユニットの止めネジ8本を外して、少しリアパネル側にずらせばジャックの裏側が見えてきます。

この状態では多数のハーネスが残っていますので、傷めないよう注意が必要です。

ジャックの足部分を見たらすぐに原因がわかりました。

見てすぐに判るハンダクラック、部品調達が不用なのは幸いです。
念のため他のジャックも再ハンダしておきました。

今回は症状から予想された簡単な修理ですが、修理箇所に行き着くのにネジやDサブの支柱を40本も外さなければいけない面倒な構造です。
RCAジャックはやさしく扱いましょう。(それでも壊れますけどね)


1号機 RFプロセッサ調整
 2015.09.23

 1号機のSSB出力がMax100W程度しか出ない状態だったので調整しました。

CW、FM、AFSKは概ね150W出ますので、出力低下はSSBだけです。
確認のためRFピーチプロセッサをオフにしたら150W近くまで出ることが確認できました。
RFスピーチプロセッサを通したときだけ出力が下がりますので問題の範囲は限定されます。
プロセッサを通すと出力は100W程度で頭打ちになりますが、音質や動作には問題ないので、なんらかの経時変化でプロセッサ回路のゲインが下がっていると考えてよさそうです。

回路上、調整個所は2か所あります。
基板図は部品面です。
見難いですが、どちらの調整個所も部品面のパネル側の触りやすいところにあります。

T52同調コイルは回しても出力に変化がありません。
故障だとしても一応動作してますし、代替部品がありませんので目測で元の位置に戻しておきました。
後段に狭帯域のフィルタが入っていますので、同調回路のQがかなり低くても信号の質には影響はないと思います。

プロセッサ部の出力レベルはVR6[COMP]で調整できます。
送信出力が定格出力付近まで出るように調整し、モニタ受信機で音質を確認して一応終了としました。

経時劣化が進んでいるでしょうから、また同様の症状が出るようなら関係個所の部品交換が必要になると思います。


1号機 表示チラつきと受信感度低下
 2016.10.02

 ここ1か月ほど1号機50MHzの聞こえ方が悪い気がしていましたが、それなりに受信はできていましたので、コンディションなのかアンテナが劣化してきたのかと思いながら放置していました。

そんなある日の運用中にLCDのモード表示の一部がチラつき出しました。
LCDと周辺の接触不良などを疑いましたが、念のためリセットしたところチラつきが消えるとともに比較に使っているビーコンの信号が強く受かるようになりました。
CPUの誤動作で送受信に影響する持病は前から認識していますが、気づかない程度の受信感度低下と表示のチラつきは初めての症状でした。


AGCをオフにする方法
 2018.2.12

 JST-245のAGCは具合良く働くのですが、弱い局を聞いているときにローカル局が出てきたときなどにオフにしたいことがあります。
ところがパネル操作ではAGCオフを選べません。
AGCボタンの長押しでOFFにできると教えていただきました(Tnx JA1ATR)
(マニュアルには記載のない機能です)

※TeraTermProのマクロとVIRTUAL SERIAL PORTS EMULATOR(VSPE、32ビット版は無償)を使ったRS-232c経由のAGC OFFは必要なくなりましたので、掲載を終了しました


1号機 受信部の感度低下が見つかる
 2019.05.15

 1号機でのデジタルモードの運用が増えるにつれ、6mの聞こえ方がやや悪い気がしていました。環境ノイズの増加か、アンテナ系の劣化か、単に気のせいか・・・ということで長らく放置していたのですが、先般アンテナ系の更新をしたところなので重い腰を上げて2号機とビーコンの受信比べをして見ることにしました。
やってみると2号機でS3振れるビーコンが1号機では振れないことが判明。
当初2台の間に差はほとんどありませんでしたから、気のせいではなく感度が落ちていることがはっきりしました。 (以前の測定値は前の方「JST-245って感度悪い?」にあります。)

 ベンチで測定してみるとS9振らす入力が2dBほど余分に必要な状態になっています。
Sメータの振れ始めも高レベル側にずれただけでなく、S指示が急に立ち上がる特性に変わっているので、IFの調整ずれが疑われます。

 サービスマニュアルより手抜きな方法ですが、SSBモードでSGからの信号を聞きながら第1〜第3IF各段コイルのピーク調整を行いました。
耳では変化が聞き分け辛いのでAFレベル計を見ながらの作業です。
RF段の各コイルは少し動かしてみましたが、変化が無かったので元に戻して今回は調整していません。

 結果ですがS9感度が30dBu.emfから28dB.emfに2dB改善。
S/N10dB感度は-13dBu.emf、Sメータの振れ始めも2dBu.emfとなり、以前測定した状態と同程度に復旧しました。
20年以上も無調整なのに気づかない程度調整ずれで済んでいたのは驚きですが、やはり定期的に調整しないといけませんね。

追記 2019.6.7
 1号機と2号機の感度は同程度ですが、Sメータの7あたりから上では同様に振れ、低い入力では1号機がS目盛で1〜2程低いことが分かりました。
聴感では両機の差は判りませんので問題はなさそうです。

*調整については自力・自己責任でお願いします。
  英語版のサービスマニュアルはWeb上で入手できるかと思います。


2号機 SSBナローフィルタ増設
 2019.6.8

 オークションで日本電波の型番で出品されていたSSBナローフィルタ(YF455YBF、BW=1.8kHz)が入手できましたので、2号機に取付けました。

2号機にはSSBナローフィルタは不要かと思っていたのですが、すぐにコンディション大爆発でQRMMに遭遇。
聞き難いので普段使う気はないのですが、ここ一発のQRM対策には有った方が良いということで手に入れたものです。

今まで何回もJST-245を分解してますが、今回JRCのオプションフィルタ取付要領書に従って作業を進めたところ記載内容に間違いがありました。(今まで見てなかった・・)
外すネジの本数違い、底側の外筐を外す必要があることが書いてない、同軸ケーブルを1本抜かないと基板裏が見られないのに抜かない指示があるなど。
このあたりはやってみれば分かります。
フィルタ取付後に設定するデジスイッチの位置が一覧表になっていますがSWの位置は「右から〇番目」としか書いてありません。
操作面から見た場合なのかコネクタ面からなのか?
実際には部品面表示の"FL10"の位置をONにすればSSBナローフィルタありと認識されます。
基板の起こし方(はんだ面を見る方法)だけは参考になりました。

実装して使ってみたところ、ナローになった感は十分ありますが1号機(CFL-218A装備)より聞きやすい音質で帯域幅が広い様です。
1号機は帯域幅が狭すぎて聞きづらいので、近接の混信には不利ですが、これでも良いのかもしれないと考えています。
JRCオプションのCFL218AはNDK製と言われていますが、仕様が若干違うのかバラツキなのか違った結果になりました。



2号機 電源発煙故障修理
 2020.06.07

 最近は2号機を主に使っていますが、受信中にバチバチという音と共に電源付近で火花が散り、煙も発生するという重大故障が発生しました。

電源部を見るとメイン電源基板の一部が黒く煤けています。
右上のコンデンサが煤を吐いたように見えます。

外してみると、やはり焦げて穴が開いています。
     

基板を見るとコンデンサ以外に損傷はなさそうなので、コンデンサだけ交換して動作確認したところ正常に動作しました。
故障したコンデンサは耐電圧不明の0.1uFでしたが、手持ちの関係で630V耐圧0.046uFを2個パラにして取付てあります。

故障した2号機は1号機からメインとサブ基板を移設して復旧しましたので、修理した2号機のメイン電源基板は1号機に組み込んで使用しています。
派手な故障でしたが周囲の部品や基板に被害がなくて幸いでした。


自宅用デジタルモードインタフェースのUSBオーディオ化 2020.09.10

 自宅でのデジタルモード解読率を改善するため、外付けUSBオーディオ変換装置(ベリンガーUM2)を導入し、合わせてインタフェースユニットを作り直してJST-245のアクセサリコネクタ接続に変更しました。
インタフェースユニットは良質のトランスとフォトカプラでPCのノイズがトランシーバに伝わらない様にしてあり、外部にUSBオーディオ変換を置くことでオンボードオーディオよりS/N改善が期待できます。

UM2は低価格なだけにドライバが付属してませんが、Windows10の標準ドライバで動作しますので問題ありません。 
A/D・D/A変換、伝送に伴う遅延は原理的にありますが、僅少でデジタルモードの運用には影響ありませんでした。

UM2には入出力レベルのボリウムがありますので、容易にレベル調整できて助かります。
しかしながらレベルはUM2のボリウム以外にインタフェース内の半固定、ウィンドウズの音量ミキサおよび入力デバイスのプロパティ、アプリでの入出レベル設定という具合で関係個所が多くて厄介です。
私の場合、入力(受信レベル)についてはUM2のボリウム最大でPCの録音アプリに適するように設定してあり、FT-8やMMTYYなどの運用時はアプリのレベル表示でボリウムを絞るようにしています。
出力(送信レベル)についてはUM2出力ボリウムとアプリ内の出力調整(ある場合)は70%程度に固定し、Wndowsの音量ミキサでアプリごとに送信機の最大出力を設定するようにしました。
インタフェース内の半固定抵抗は、UM2のボリウムや他の調整箇所が極端に高いか低い位置にある場合にだけ調整します。 ここはラフで構いません。

数字で示すのは困難ですが、改造前にマイナス十数dBあたりの信号を読み落とす率が明らか減った気がします。

下写真の左側がUM2、右側が今回作ったインタフェースユニットでトランスとフォトカプラによりPCとトランシーバ間の絶縁をしています。

回路図です。 図をクリックすると拡大します
     
インタフェースに使用したトランスTD-1はシールド、平衡度など最高級の性能ですが結構な値段なので新品には手が出ません。
以前入手しておいた中古品です。


実験的に使用するのであればサンスイST-71あたりを使い、トランス自体のシールドが無いので金属ケースで作るのも手かと思います。
弱いデジタルモードの信号は、こういった僅かな改善が効いてくるようで、FT8の筋が見えているのに文字にならないということが減った気がします。
デジタル時代でもアナログ系の素性が良いJST-245は十分使えます。


USBオーディオ変換装置を交換 2020.10.27

 ベリンガーUM2に内部で不要な信号が生じているのを見つけました。

 気づいたきっかけはローカル局の強力な信号を受けるとWSJT-Xのスペクトル画面内に多くの筋が見えたことです。
試しに信号入力が無い状態でUM2出力を見たのが下の写真の状態です。

一般的なオーディオ用では問題ないレベルなのかもしれませんが、バックグランドのノイズが無い状態なので、FT8の特性から強調されて見えています。
左下のレベルメータがデコード適正レベルより低いことを示すオレンジ色で10dBを示していることに注目してください。
強力な信号を受信してAGCが働き、受信信号以外のバックグラウンドノイズが無くなって、無信号時と同様に不要な内部信号が見えてしまったと考えています。

特定の周波数に不要信号がある状態は気にいらないのでUM2の代わりにEDIROL(ローランド)UA-25を入手して交換してみました。
外線接続はUM2とUA-25は同じなのでそのまま入れ替えることができます。
UA-25は廉価版のUM2と違い金属ケースですし、しっかり作ってある印象です。

動作させてみると無信号入力での不要な筋が見えず、レベルメータも"0"で大幅に改善されたことが確認できました。
これだけ差がでるとは思いませんでした。

UA-25の標準モード(16bit,44.1kHz)はWindows10/11のドライバで働き、WSJT-XやMMTTYなどに支障なく使えました。
現在はローランドからダウンロードしたドライバをWindows10対応に改造してアドバンスモード(24bit,48kHz△設定)で使用しています。
 △誤記訂正:44.1k→48k
Windows10対応の改造とインストール方法はグーグルで"UA-25 windows10"を検索したら記事がすぐに見つかりました。
 
※この改造ドライバはWindows11にはインストールできません

テストでUA-25にヘッドホンをつないで音楽を聞いてみましたら、PCのヘッドホン端子より数段良い音が聞けました。 (当然だとは思いますが)


メインダイアルゴムリングの緩み取り 2021.1.18

 JST-245(1号機)のメインダイアルのゴムリングが延びてユルユルになっています。

 ゴムリングを復元されたというユーチューブの動画を紹介していただいたので、試してみることにしました。(Tnx JP1GUW)
動画ではメインエンコーダの分解修理も紹介されています。

 動画のURLは ⇒ https://youtu.be/QKhBj-QSNjQ

動画では具体的な方法は紹介されていませんが、以下は試行した記録です。


1.紙の輪作り

 まず、リングのサイズを決めるため、下写真右側の厚紙の輪を作りました。
この中にゴムリングを収めてドライヤで温めるのですが、ポイントはリングのサイズです。

オリジナルのリングの外径より少し小さく作るのですが、小さすぎると伸びてしまったリングが収まりませんし、オリジナルと同じサイズでは外径を縮める効果が期待できません。
試行錯誤の結果オリジナルより円周で1〜2mm縮めたサイズとしました。
余長の部分は、後で加熱する際の持ち手になります。

  紙の輪は、お菓子の入っていた紙ケースの淵部分を利用しました。↑


2.温めたり冷やしたり

 まずゴムリングを紙の輪に納めます。
今回修正したかった1号機のゴムリングは、かなり延びているので、紙の輪に収めると一部が内側にへこんで浮いている状態になりました。

この状態でゴム全体をドライヤで温め、ある程度温まったところで浮いた部分を紙の輪の壁面に押し付けて、浮きを無くしていきます。
紙の輪の径が小さすぎると、この作業が上手くいきません。

ゴムリングが輪になったら、更に全体を触るとアチッという位まで"できるだけ均一に加熱し、1分程維持しました。
加熱後は自然に冷えるのを待ち、さらに冷凍庫に5分程入れてから取り出しました。

結果は下の写真の様に緩みが取れました。
紙の輪のサイズ調整は微妙ですし加熱も手探り状態ですので再現性や寿命に与える影響などは判りません。
*実施する場合は自己責任でお願いします。


IC−7300を導入して 2021.10.19

 移動用リグとしてIC-7300Mを導入し、続けて自宅サブ用にIC-7300を導入しました。

 移動先で使用した印象では、JST-245と受信音質では大きな差が無く置換用として十分使えます。

デジタルノイズリダクションについては、ノイズの少ない環境では若干了解度が低下しますがノイズが増えてくると有効に使えますのでデジタルのメリットを享受できます。
JST-245で不満だったノッチフィルタは効果上々で、最近の電波環境では有難い性能です。

問題はオーバーフローレベルのパルスノイズが入ると、ノイズブランカが聞かず一瞬受信感度が低下する状況があります。
溶接を使っているらしい工場付近での運用時には悩まされました。
IC-7300の構造上やむを得ない現象なのですが、実際に遭遇してアナログ機との違いを感じました。

電源については、大喰らいのJST-245ではできなかったバッテリ運用が可能になりました。
発電機に比べて運用時間の制限はありますが、電源周りの重量が約半分になり、車内に置けるので雨でも安心になりました。
現用のバッテリはリチウムフェライト50AH。
間欠的な運用なら日中程度は使用でき、電圧が13V付近で安定しているうえ軽量で発火の心配がなく使いやすいバッテリです。
欠点は価格・・・
 車載運用時です
 詳細は 別記事をご覧ください


自宅の運用では、利用者の少ない50MHzでリアルタイムスコープは重宝しています。
FT-991Aではある程度強い信号しか見えなかったので、かなり弱い信号まで見えるIC-7300のスコープは便利です。

自宅付近の環境ノイズは、ブロードなノイズも大幅に上がってSメータ3〜7(日中はまれに振れないことも).で、ビートも多数ある状態ですが、ノイズレベルと同程度の信号を聞くと、IC-7300はノイズと音声と混じって聞き取り難くくなる傾向があります。
JST-245は受信音声がノイズに混じらずに聞こえてきます。

変調が浅めのAM信号を受信した時に、JST-245で何とか聞き取れたのですが、IC-7300では全く聞き取れないケースもありました。

6mバンドでは弱い信号を追いかけることが少なくないので、IC-7300はサブとしては十分ですが、JST-245と置き換えるレベルには達してないと感じます。
今後、丁寧に作られたアナログ機は出てこない可能性が高いので、何とかJST-245を維持したいものです。
 自宅シャック デジタルモードはJST-245とIC-7300で運用しています


電源スイッチ交換 2023.4.27

 電源スイッチの軸を折ってしまったのでスイッチごと交換しました。

 オリジナルはアルプス製4A/125A品ですが入手困難のため、代わりをヤフオクで見つけました。 
KDC−A04−2という型番の物で5A/80A品、アルプス製より厚みがあるので取付にはシャーシの加工が必要になります。
その後同じ型番の物をアマゾンでも見かけました。

オリジナル(軸先が無い)と今回購入したスイッチです

 代替品は厚みがあるためシャーシを切欠いています。

 端子間のバリヤを加工してパラ接続する電線を通しています。
下は交換後の状態です。

後日アマゾンで買ったスイッチKDC-A10が到着したので比べてみました。
なんとアルプス製と同じ寸法でシャーシを加工せずに取り付けられそう。
通電容量もアルプス製より大きいです。
PWB用端子で取付ネジ部がキリ穴というところが異なります。

 取付けはナットを接着するなど工夫が必要です。

KDC-A10はまだ実装していませんが、シャーシを加工しないで済むので修理用にはこちらの方が良さそうです。


                  □□□最終更新2023.05.02(C)JA1VZV





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