JST-245モニタユニット

 JST−245 2号機にはモニタユニットが入っていません。

ヘッドフォンを使っているときに自分の声が聞こえないと自然に声がおおきくなったり、PCをCQマシンにしているときに音声の状態が判らないなどで使いにくいため、モニタユニットが欲しくなりました。

今では純正CMF-144モニタユニットの入手が難しくなり、使用されているバラモジICも入手できないためデッドコピーして作ることもできません。
幸い回路図があり入出力関係が解りましたので、入手できる部品で作ってみることにしました。

      製作したユニットの部品面   パターン面 右側にバラモジICが2個見える


                     JST-245に実装したところ


           ○回路図はこちら(GIFファイル プリント基板設計用のため、少々見にくいです)

           ○部品表はこちら(PDFファイル)



製作メモ

 □本体から得られる信号

以下の3信号(いずれもオープンで実測)

1.IF信号(9.455MHz) J60−1

   15〜60mVpp@TX

2.9MHz J57−1

   1.5Vpp@M−ON・TX

   320mVpp@M−ON・RX

  320μVpp@M−OFF

  ONの条件:TX・MONI−ON・(SSB+AM)

3.455kHz J59−1

  1.3 Vpp @M−ON・SSB

    5mVpp @OFF


□専用部品

1)同軸コネクタ付きハーネス (1.5D2V撚り芯線)

  (株)サーキットデザイン CBL-TMP-05 50cm @263円 3本使い

2)4Pコネクタ座 (JAEはRSオンラインにて購入以下同じ)

   JAE IL-S-4P-S2L2-EF アングルピンヘッダ

   今回は JAE IL-S-4P-S2T2-EF ストレートピンヘッダで代替

3)6Pコネクタプラグ

    JAE IL-S-6S-S2C2-S ソケットハウジング

4)コンタクト

   JAE IL-S-C2-S


  ・コンタクトは先の細いリードペンチで取り付けられた

   横幅が広くなるとハウジングに入らないので適宜修正

・同軸はシースに沿って編組線を裏返し、メッキ線を巻きつけてリード線をハンダ付け
 はんだ部分を収縮チューブで絶縁

   同軸は長さで行き先が判断できるがマーカーを取り付けた


  *IL-Sシリーズはメーカー販売縮小品種になっている 

   今のところRSオンラインで購入可能



 □基板サイズ


    ├────── 78 ──────┤

    │├───── 68 ─────┤│

    ┌───────────────┐──┬

    │              ○│┬ │

    │               ││ │

    │               │

    │     部品面       │35 45

    │               │  

    │               ││ │

    │○              │┴ │

    └───────────────┘──┴

     孔は3.5φ スタッド逃げとして周囲7φminとること

     基板にサンハヤト10K(100x75)を2枚取りで使うため横75mmまでで製作する

     ユニット基板部品面高さ制限   7mm max

           半田面深さ制限 約10mm max

     一般部品使用なら裏返しで実装が楽そう



 □実装上の制限

  オリジナルでは親基板上に18mmの支柱があり、そこにユニットをマウントする


      PAユニット底部↓

     ───────────── ─┬

       マウントスペース    7mm

        ┌─┐─────── ─┼

        │ │         │

        │ │

     ── │ │ ────  支柱18mm

        │ │ 親基板部品

        │ │ 高さ10mm  │

     ───┴─┴─────── ─┴基板

     ───────────── ─┬1.6mm


  このユニットは通常のリード部品により製作するので純正ユニットのように薄くできない
  (実際はフィルタは両面基板の裏側に実装していたので薄くはなかったことが判った)
  (値が決まれば無くせるが)音量調整VRがあるので裏返しにマウントすると扱いにくくなる
  片面基板で製作したい  などから・・・

  ユニット基板上の部品最大高さを7.5mm(最も背が高いセラッミクフィルタのサイズ)とし、
  支柱を5mm短いものに交換して実装する

  使用した支柱はM3、L=17片端雄ネジ、片端雌ネジタイプ(サトー電気購入)
  で雄
ネジ(L=6)を親基板に貫通して内菊ワッシャ+ナットで固定

  上面側にワッシャを入れて親基板上の支柱高さを13mmとした


     PAユニット底部

     ───────────── ─┬余裕2.9mm

     ────────────┐ ─┼

      子基板部品最大高さ  │   7.5mm

     ────────────┴ ─┼子基板

     ───┬─┬─────── ─┼1.6mm

     ── │ │ ────┐   │

        │ │ 親基板部品  支柱+ワッシャ13mm 

        │ │ 高さ10mm  │

     ───┴─┴─────── ─┴親基板

     ───────────── ─┬1.6mm


  子基板上の高さを抑えるため次の対策をおこなう

  1 コネクタは横向きに実装する

  2 ケミコンはミニミニ型 高さ5〜6mmのものを使用

  3 抵抗はS2タイプ

  4 セラミックコンデンサ0.1uFは積層タイプの小さいものを使用

  5 ゲルマダイオードは横向きに実装する

  6 同軸ケーブルはできるだけ横に寝かせて引き出す



□プラグピンアサイン

  6P From J99 on TX/RX UNIT PCB

   1 9V

   2 FM9V

   3 NC

   4 AM9V

   5 MONI9V

   6 GND


  4P Pinhedder for P98-1

   1 FM AUDIO OUT(NC)

   2 GND

   3 SSB/AM AUDIO OUT

   4 GND


  ピンヘッダの切り込みがある側を手前にして右が1番ピン



□半導体代替

  オリジナルの2SC2712−Yは2SC1815−Yで代替できそう

  hfe=120〜240(Yランク,Vce=6V,Ic=2mA)、ft>80MHzで同じスペック


  アナログスイッチは4016、4066、4053いずれかを使用


  DBMは現状手に入るNJM2594M,TA7358APのいずれかになる

  オリジナルはSN16913Pで変換ゲインが12dBあるが、代替品はゲイン0dBなので2個
  分24dB程度を別に稼ぐ必要あり

  価格は高いがNJM2594Mのほうが電源電圧9VまでOKなのと、許容入力が大きいので扱
  いやすいので採用(1個357円@サトー電気)



□回路検討

  CMF-144の回路図を基にディスコン半導体の置き換え、手持ち互換品への変更を行い、チップ部品
  は使
わずに(NJM2594M-TE1は除く)製作する。

 

  AM検波はオリジナルの簡易同期検波ではなく簡素化のためダイオード倍電圧検波とする


  アナログスイッチは制御信号の論理に関係なく入力を入れ替えるだけで対応できる4053(3x
  2:1アナログSW)を使う


  DBMのゲイン低下分を補うためオリジナルにある減衰回路を削除


  フィルタはセラミック3端子455kHz12kHzまたは15kHzの入手可能なものとする


  SSBに比べてAMの音声レベルが小さくなるのでAM検波前にアンプを1段入れておく(削除は
  容易なので)


  オーディオレベル調整のためボリウムとAFアンプをAM/SSB各々に設置する



 □OHP印刷

  OHPシートにキャノンiP4100での印刷設定

   用紙  :スーパーフォトペーパー

   印刷品質:きれい

  *用紙押さえをA4ピタリに設定し、同じシートに乾燥後2度目の印刷を

   重ねると、かなりムラが無くなる



 □焼付け(11月) カメレオンレジスト 10K基板  

   曇り 薄い雲を通しているが影がはっきりできる日差し 明るい 

    1分15秒 短すぎ 露光不足でパターン間に薄くレジストが残り失敗

    真夏のピーカンでは45秒でOKだったが、+15秒は最低必要か

   曇り 日差しなし 雲を通して太陽の形がやや見える どんよりに近い

    10分   丁度良い


  原稿の遮光性が良くなったので長めでも行けるかも



□調整

モニタユニット単体調整

・キャリアレベル 9MHz、455kHzとも直列抵抗で300mVppに調整

・オリジナル455kHzアンプのバイアス抵抗値だと動作せず、現合調整

・全体にレベルオーバーのためAM検波前段のソース抵抗バイパス用とAFアンプのエミッタ抵抗
  バイパス用コンデンサを削除

・高音域のノイズがうるさいので出力コネクタ部にコンデンサを追加し改善


  出力をイヤホンで確認 特に問題なく動作している


結合調整

・接続したときに音が割れる ユニットAFアンプ出力のカップリングコンデンサをチャージアッ
  プするためのGND間に入れた10kΩが影響していたため削除

・同カップリングコンデンサの印加電圧は親基板側が高いことが判明 極性を入替
  バイポーラが望ましい

・聴感により音声レベル設定

・高レベルの音声ピークでクリップまたはアナログSWを突き抜けた様のノイズが出るが、ユニッ
  ト単体では歪等は感じられない
  極端にボリウムを上げなければ問題なく、オリジナルユニットでも同じ症状なのでOKとする

  その後、この現象は主に使っているインピーダンス10kΩヘッドホン使用時に起き、ローイン
  ピーダンスヘッドホンでは起きないことが判明
  オーディオ出力電力が小さいため十分な電圧が出ない可能性が考えられる


 □動作総合確認
 全体組み立て後の確認を行う
 送信出力、送信時の回り込み等音質異常、キャリヤ漏れ等の異常なし
 受信動作異常なし


                                                  □□□(C)JA1VZV
                                                       

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