FEMTO改 VXO変更実験メモ
by JA1VZV
製作・調整時の検討事項や測定データなどをメモしたものです。
各定数は目分量とカット&トライで決めていますので、さらに良
い値があるかもしれません。 参考値としてご利用ください。
はじめに .
当初VXOに使った水晶は、入手しやすいサトー電気購入の20.000MHzで
KSS(京セラキンセキ)の表示があるものだった。 .
VXOとしても可変範囲が大きく取れるので使いやすいと定評があるが、
上限周波数と可変範囲の関係及び別の水晶での可変範囲を試してみた。 .
1 サトー電気購入水晶でのVXOの可変範囲と上限周波数 .
VXOの可変範囲を広くするためには直列インダクタ(FCZ VXO-2)を大
きくすれば良いのだが大きくすると上限周波数が下がってしまう。 .
実装状態で上限50.62MHzまでカバーしようとすると下限は50.54MHz付
近であった。 Lを大きくすると可変範囲が広がるので上限周波数と可
変範囲の関係を測定してみた。 冉/2[kHz]はVXOの実際の変化量。
上限f[MHz] 下限f[MHz] 冉/2[kHz]
50.624 50.538 43.4
50.620 50.525 47.7
50.615 50.509 52.8
50.610 50.493 58.6
50.605 50.477 64.2
50.600 50.459 70.3
50.595 50.441 76.9
50.590 50.423 83.5
50.585 50.407 90.7
50.580 50.384 98.0
50.575 50.364 105.3
50.570 50.344 113.1
50.560 50.302 129.1
50.550 50.258 146.0
50.540 50.215 162.6
50.530 50.168 180.9
50.520 50.123 198.4
50.510 50.077 216.2
50.500 50.033 233.4
50.490 49.988 250.8
変化幅はスーパーVXO化しなくても確保できることが判ったが、現在
の水晶片では上限周波数が確保できない。 .
2 別の水晶では・・・ .
対策としてはVXO用水晶を特注する方法があるが、最近ではVXO用
を作ってくれる所が少なく、あっても高い。 .
既製品で発振周波数が少し高い方にずれているのがあれば良いのだが。
千石電商の水晶(20.000MHz,\0.2k)を入手できたのでテストを行った。
交換したところ50.507MHz〜50.622MHzまでカバーできることが判り、採
用決定。 .
おしいなぁ、もう少しというところで50.500MHzまで届かなかった。 .
3 目標達成 .
水晶の発振周波数を実装上の工夫で高くできれば目標の50.500MHzまで
カバーできそうな気がする。 .
実験中に思い出したのだが、FCZの基板が薄いため、親基板の銅箔との
間で結構大きな容量を持っていて、当初ランドを多く使ってゆったり組
んだら発振しなくて、ランドの使用数を減らしたことがあった。 .
と言うわけで、 VXOコイルの足の所で削減できるランドを1個飛ばし
てみた。 .
測定してみると50.497〜50.623kHzをカバーできることが判明。目標に
到達できた。 VXOに関しては実装方法で発振周波数が大きく影響さ
れることが判っただけでも収穫であった。 .
カバー範囲が増えたので、ポリバリ直結同調では限界を感じる。
以前から使うたびにダイアル目盛と周波数の関係が多少ずれることがある。 .
VXO可変範囲を大きく取ったのでやや不安定だがAMでは問題なく使える。 .
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