無線用PCをThinkPad X220に更新したところオーディオ接続がコンボジャックに替わり、FT8などデジタルモード運用のため時刻同期用GPS受信機も必要なことからUSB制御のインタフェースとして再設計しました。
JST-245の接続先もACC端子とし、ケーブル1本*で接続できてマイクやスピーカをSSB用の接続のままでデジタルモード運用ができるようになりました。
筐体はタカチSW-85です。
*PCでCW運用する場合は別にケーブルが必要です。
(図をクリックすると拡大します↓)
1 制御インタフェース
4ポートUSB HUB(ELECOM U2H-SN4NBBK)のUSBコネクタを2個外し、代
わりに中華格安USB-シリアル変換器HL-340から取り出した基板を組み合わせて
USB>PTT/CWキー変換を行っています。
大きな箱に入れれば無改造で済む話なのですが・・・
この変換器は秋月あたりから古いドライバを取って来る必要がありますが、働い
ていれば機能的には問題はありません。
過去4個買ったうちハンダ不良で動作がおかしいのが1個ありましたので、事前動
作確認は必須です。
余談ですがHUBはインタフェースのケース内側から前後に顔を出すように挿入
し、インタフェース筐体にネジで止めたアルミ板で固定してあります。
(ユニット内部写真参照)
HUBのケースに切り込みを入れてますので前後に抜け出ることはありません。
HL340を分解し基板を取り出し |
HUB殻割 |
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USBコネクタを外しHL340の基板を接続 |
HUBのケースを切欠いて再組立 |
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制御絶縁基板 |
JST-245は接地間でも接続するとハムが乗ることがあるので、フォトMOS ICを通してPC(HUB)とJST-245間およびJST-245のPTTとCWキー間を分離しています。 |
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2 オーディオインタフェース
PCのコンボジャックとJST-245のアクセサリコネクタ間でレベル調整と接地周
りの絶縁処理を行います。
レベル関係は出力側が高いのでボリウムで下げるだけになります。
送信側はPCのミキサで設定できますので半固定抵抗、受信側(PCの入力レベル)
は即時に調整できるようツマミ付ボリウムになっています。
絶縁処理は600Ω:600Ωのトランスで行い、1点接地でハム対策をしています。
整合は不要なので巻線比1:1付近の音声用なら600Ωである必要はありません。
PCのコンボジャックに4Pプラグを挿すとマイクは外部側に切り替わりますが、
外部マイクが低抵抗だと内部マイクに切り替わってしまうため、トランスの出力
側にコンデンサを入れてあります。
下左の写真は当初設計の状態、下右は最終状態で受信音量ボリウムとPCマイク
回路用のDCカットコンデンサが追加されています。
音声絶縁基板 (初期組立時) |
ユニット内部 |
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3 PCおよびJST-245との接続、調整
PCのUSBコネクタは毎回同じところに接続する必要があります。
違うコネクタに挿すと新しいポート番号が割り振られるため、アプリに設定した
ポート番号と合わず動作しなくなります。
オーディオは今回コンボジャック対応ですが、従来のマイク/ヘッドホン形の
ジャック2個に換えても接続コードが2本になるだけで電気的には同じことです。
JST-245へは専用のDsub9ピン〜Dsub25ピンケーブルで裏面のアクセサリコネ
クタに接続します。
RS-232Cの9ピン〜25ピン変換ケーブルは使えませんので自作してください。
CWキーはインタフェースのミニミニジャックからJST-245のキー入力へ接続し、
ストレートキーとして設定してください。
別のエレキーなどを使う場合はインタフェ-スのミニジャックに接続すればパラ
接続ですのでPCと両方からキーイング出来ます。
送信機へのレベルは内臓の半固定を初めは50%程度にしておいてMMTTYなど使用
するアプリを起動し、PCのミキサを調整してください。
WSJT-Xの様にアプリ画面に出力調整がある場合もあります。
占有帯域が広がらない様、レベル設定にご注意ください。
受信側は実際の信号を受信しながらボリウムを調整してください。
PCの入力感度が低い場合はボリウムの両端子間に入っている抵抗を大きくして
調整してください。
回路図記載のPC入出力レベルは手持ち機の概略値です。
JST-245は古いリグですが、FT8やMFSK144など最新のデジタルモードでも安定
して運用できています。
PC,I/Fの整備が進みましたのでデジタルモードの移動運用が楽しみです。
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