移動運用にシールドバッテリを使っていますが、管理には結構気を使います。 
      端子電圧を監視しているのですが、デジタル表示では電圧低下が直感的に判らないし、一般的なアナログメータでは満充電から放電終止電圧までの幅が狭いので、変化が読み難いという欠点があります。 
       
      そこでDC10Vから14Vをアナログメータのスケールいっぱいに拡大表示するアダプタを作って使用したところ、バッテリの状態が良く判るようになりました。 
       
      今回使用したメータは定格1mAの電流計ですが、市販バッテリーチェッカ等のメータを流用しても、抵抗値を変更すれば使用できます。(後述) 
      また精度が低いメータでも、放電終止電圧(鉛電池なら10.8V)のポイントを押えれば十分使えます。 
       
      
       
      【調整】 
       1 10.0Vdcを加え、0setボリウムで針が0を指す様に設定する。 
       
       2 10.0V-10.8Vdc-12.0Vdc-13.0Vdc-14.0Vdcと順に加え、電圧が上がるに従って目盛 
         との誤差が大きくなる(F/Sボリウム)か、誤差が全体均一に同じ方向にズレている 
         (0setボリウム)かを見る。 
         また、電圧が上がるに従ってフルスケール側が詰まるか伸びるかという傾向も見て 
         おく。 
       
       3 電圧が上がるほどに目盛位置との差が大きくなる場合は、14.0Vを加えてF/Sボリウ 
         ムで調整する。 
         フルスケール側の直線性が悪い場合はメーター中央(12V)で合わせると合わせ易い。 
       
       4 全体均一に同じ方向にズレている場合は0setボリウムを調整する。 
       
       5 2〜5を何回か繰り返し、各目盛に対する誤差を最小に追い込む。 
       
       *追い込みきれない場合は10.8Vを合わせ、他は目盛を打ち直すか誤差は無視する。 
         放電終止電圧以外は、ある程度ラフでも目安としては問題ない。 
       
       
      【今回製作品の性能】 
       
        適合電流計    フルスケール定格1mA 
        測定精度     10.8V、12V、13V目盛に対して誤差±0.02V以下 
                   13.8V、14V目盛に対して誤差±0.1V以下 
                   *今回使用した電流計が高精度でした。 
        電圧測定範囲  DC10〜14V 
        消費電流     3mA@14Vdc  1.3mA@10Vdc 
       
       
      【定格(フルスケール)電流を変更する場合】 
        回路図の、メータにつながる1.8kΩ+470ΩVR(≒2kΩ)が定格電流設定抵抗です。 
      定格電流設定抵抗値[kΩ]×定格電流値[mA]=2[V]となるよう抵抗値を変更してください。 
      市販されている定格100uA〜1mA程度のメータやラジケータは、ほぼ問題なく使用できます。 
       
      【使用上の注意】 
      □高周波対策はしてありますが、送信すると実装状態や周波数・出力等の条件で指示が変化す 
        る場合があります。 
        送信中も電圧監視を行う場合は、必要により追加対策を行ってください。 
       
      □組み込み用を想定しているため、過電圧および逆接保護回路は入れてません。 
        ICやメータが破損しますので、逆接続や14Vdcを超える電圧を与えないようにしてください。 
       
      □製作・ご使用は自己責任でお願いします。 
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