直線上に配置

6m SSB/CW 300mWトランシーバ



 本機は市販DDSキット(木田電子設計KEM-DDS-VFO-MC50)を改造したVFOと自作クリスタルフィルタを使用したトランシーバです。
ステップ1で6mSSB機を製作し、ステップ2でCWを付加しています。
さらにステップ3でプログラムを更新して操作性を改善しました。
ケースはタカチUC17-5-12を使っています。

※2013.01.09 ステップ1,2の全体回路図に誤記があり更新しました
※2014.12.04 ステップ2全体回路図のリンク切れを修正しました
※2016.01.25 CW/SSBスイッチ・KEYジャック表示追記のため写真更新
       同調操作時ノイズ対策の新プログラムを公開しました

ステップ1
 まず6mSSB機を製作しました。

このトランシーバを計画するにあたり下記の設計を参考にさせていただきました。

  JF1RNR著「手作りトランシーバ入門」
  JG3ADQ 「50h2」    
  JR8DAG 「JR8DAG-10」
  JP2OMU 「FEMTO6」  

□主な特徴
 安価に入手できるHC49US型14.318MHz水晶で自作した5素子のフィルタを送受独立に設置し切替回路を省略したシングルコンバージョン構成です。
フィルタは安価な割にはマアマアの特性が得られました。

VFOはMC50キットにバッファアンプ追加、LPF定数変更、スプリアス対策など回路変更などを行い12MHzを取り出して3逓倍して使っています。
(購入当時、180MHz原発振のものは未発表でした。)
運用周波数はキットの表示変換機能を使って50MHz台を直接表示し、RITもキットの機能をそのまま利用できました。

バラモジICは数少なくなった現行品種からNJM2594M-TE1とTA7358APを組み合わせて使っています。
送受電源切替はトランジスタスイッチで切り替えることが多いですが、今回はON/OFF制御できるレギュレータLM2941CT使ってみました。

本機の受信AGCは、IF段の利得制御とFEMTO改でも実績のある受信トップに置いたPINダイオードATTによって制御範囲を大きくとっています。
PINダイオードATTはアンテナ切替とも兼用しています。
AGC回路に送信時にはPo検出電圧が加わりメーターを振らせる回路になっているため受信開始時にAGC電圧が残りますが、実際の交信では受信頭切れはまず発生しません。

受信感度についてはトップのPINダイオードで若干損していますがQRP機としては十分実用的な性能が得られています。

当初6m用アンテナなのに21.5〜21.7MHz付近の隣国海外放送のイメージがメーターを振りきって聞こえました。
測ってみると75〜77dBu程と想定外の強さで(S9が概ね30dBu前後)、トップの同調がブロードということもあって聞こえて当然です。
トラップを追加して聞こえなくなりましたので、これ以上放送が強くならないことを祈るばかりです。

送信スプリアスは、無線設備規則別表3になんとか収まったようです。 

      ステップ1の全体回路図はこちら
      DDS改造回路はこちら



ジェネレータ&受信部基板とリニア基板

DDS、逓倍基板(右半)と電源(左半と両側際) *注1

CenterFreq:100MHz 20MHz/div
Ref level: 30dBm 10dBm/div 
-30dBs1kHz入力、赤横線は法令規制値

CenterFreq:50MHz 20kHz/div
Ref level: 30dBm 10dBm/div
.
*注1 LCDからノイズが被る場合はフラットケーブルをAVR上〜中央電池ケース際の経路を
   通した方が軽減される場合があります。



ステップ2
 CW送信機能を付加しました。

 改造ポイント:

 1 CW送信時に局発を800Hzシフトする
   局発の発振周波数調整固定コンデンサの容量を減らして小容量の
   コンデンサとトランジスタによるスイッチをパラに設置しました。
   CW送信時だけ小容量のコンデンサが外れて周波数が高いほうにシ
   フトします。
   特にQRPでは、CWに替わった時に局発をシフトしないと行方不明に
   なりやすいことを考慮しました。

 2 バラモジの平衡を崩してキャリヤを取り出す
   バラモジのマイク入力をトランジスタSWでグランドに落とす方式
   を使っています。 キーイングを兼ねています。

 3 マイク系をミュートする
   キーダウン時にはバラモジ側回路の効果で音声漏れはありません
   が、キーアップ時に効かないのでミュート回路を設けました。
   マイクアンプの電源を切れば完全に音漏れがなくなるのですが、
   基板にパラ付けで改造できる方法にしています。
   付加したミュート回路ではモニターしているとキーアップ時に小
   さいながら音声が聞こえていますが、とりあえずこのままにして
   後で対策を検討することにしました。

 4 キーイング回路を設ける
   バラモジのキーイングだけだと、キーアップ時にバラモジのキャ
   リヤ抑圧分-40dB強しか信号が下がりません。
   それでもプリドライバーでキーイングしている手持ちのピコ6実
   測値と同程度ですが、もうすこし減らしたいところです。

   キャリヤを出しておいて各段でのキーイングも実験しました。
   プリドライバー2SK241 ソースキーイング  -20dB
   ドライバー  2SC1906エミッタキーイング -30dB

   実装上の問題でしょうかプリドライバでのキーイングが意外に切
   れません。
   同じ石での実施例も見かけますが実際どの程度切れているのか知
   りたいところです。
   結果からバラモジのキーイングとドライバー段でのキーイングを
   併用することにしました。
   アイソレーションは実測-70dB以上とれていて、キーアップ時の
   出力は計算値0.03μW以下ですから、よほどローカルでなければ
   聞こえないでしょう。
   ドライバー段キーイングによって音声漏れも30dB減り、別の対策
   をすることなく解決しました。

 5 エレキーとタイマーを載せる
   エレキーは、有名なJacksonHarbor PressのPK-4チップ使用してい
   ます。
   今回はCW用メモリーを使うつもりが無かったので、エレキーの設
   定やメモリー呼び出しに使うスイッチは外には出さずに、キーイ
   ング専用としました。
   セミブレークインの制御はタイマーICの555を使っています。
   

 改造後、CWの音を聞いてみると酷くはないのですがカチカチとキークリックが聞こえ、気になりましたので対策をしています。
PIC−IC出力から4.7kΩを通ったところに4.7uFを追加したところ、下の波形写真のように角の丸みが取れて良い感じの波形になり、音質はやや固めですが気になったキークリックは、ほぼ消えました。
10uFにするとクリックは完全に消えてラグチュー向けのソフトな音になります。

改造後のCW出力330mW(max350mW)、実用周波数範囲でのスプリアスは-20dBm (10μW)以下で法令規制値(50MHz帯出力1W以下:スプリアス領域50μW、帯域外領域100μW)は満足しています。
実用帯域外では出力、スプリアス共に低下します。

完成時の重量は本体+乾電池で 1,028g(ステップ1より18g増加)でした。


       ステップ2の全体回路図はこちら


ステップ2改造後:

パネルにCWスイッチ(白いレバー)を増設

右下の空き地にエレキー基板、設定用ボタンと速度調整VRを配置。

(右下VRの上にあるコイルはイメージ混信防止トラップ。 )

エレキー部のアップ
後に速度用VRの軸頭をパネル面まで出しました

調整後の送信波形
立ち上がりと肩に丸みができました

ステップ3 操作性改善
('13.1.16更新)

 操作面の外観は変わりませんが、制御ソフトを更新して操作性の改善を図りましたので概要を紹介します。
プログラムは
先にFEMTO-6用として製作したDDS-VFOのプログラムを改造したもので、書込済みCPUは貴田電子設計製のCPUと差替えができます。
本来は実装状態でプログラム書き換えができるのですが、本機では書き込み端子を用意しなかったのでCPUを差し替えています。

LCDの表示は自作ソフトに変更後のものです。


プログラムの主な変更点

 ・各ポートアサインを既存KEM-DDS-VFO-MC50基板に合わせて変更
 ・キリの良い周波数ステップに変更
 ・周波数ステップ切替を簡素化
 ・VFO用ではボリウム操作だったRITをメインダイアル兼用に変更
 ・使いきれなかった周波数メモリーは1chに縮小
 ・実装対象機の局発、マスタクロック周波数を実測し設定変更
 ・起動高速化

プログラムの機能詳細など

 1. KEMオリジナルのプログラムはDDS周波数を1/10/100/1k/10k・・の
   桁切替で設定する方式で

   表示周波数 = DDS周波数x逓倍数+IF周波数
    で計算させています。

   桁切替による設定が面倒なうえ、DDS周波数を3逓倍しているため表
   示周波数が3/30/300/3k/30k・・というステップで変化するので使い
   勝手が良くありません。
   そこで表示(運用)周波数を桁切替なしに設定できる様にして、必要
   なDDS周波数を算出する方法に変更しました。
   実際には表示と実周波数の間でHz単位の誤差が出ることがあります
   が、実用上は問題ありません。

 2. 周波数設定は"DIG"ボタンで50Hzと1kHzステップ交互に切り替えで
   きるようにしました。
   50Hz選択時は"f"(Fineの意味)、1kHz選択時は"<"を表示します。
   
 3. 周波数設定ステップとの関係で既存ロータリエンコーダの読み出し
   をプログラムで4倍速(1周96ステップ)に変更しました。
   安価なロータリエンコーダを4倍速読込しているため、厳密には周
   波数の変化が一定間隔ではありませんが使ってみて気になりません
   でした。

   エンコーダのパルス数と1ステップあたりの周波数変化との兼ね合
   いは同調フィーリングに直接影響します。
   CPU周りの処理速度とも絡むので今回の設定に落ち着きました。

 4. RITはメインダイアルを兼用し"RIT"ボタンでON/OFFしています。
   RITオン時の可変範囲は50Hzステップ±9.95kHzで、RITをオフにす
   ると変化量は0に戻ります。
   RITのオン・オフと周波数はLCD下段に表示されます。

 5. 周波数メモリーは今までほとんど使ってないので、一時的なメモ代
   わりとして1つだけにしました。
   "MEM"ボタン長押しで記憶し、記憶できたことは上段右端に"M"を
   表示して知らせます。
   チョン押しで運用周波数に読み出し、それまでの運用周波数に上書
   きして表示は"M"から"_"に変わります。
   メモリーの内容は電源を切っても消えません。

 6. PTT信号を読み込み、送受切替時のノイズを防ぐためのミュート信
   号と送信切替信号を出力します。
   バンド外送信禁止機能も当然実装しています。

 7. プログラムの立上がり時間を約1秒に短縮しました。
   プログラムバージョンが一瞬しか表示されませんが、何とか読み取
   れます。


ソースプログラム

 プログラムを検討される方の参考になればと拙作ですが公開します。
 いい加減英語のコメントはご容赦を。

 プログラムは→ここをクリック
 *BASCOM-AVR用プログラムをテキストファイル化しています。 
 *8MHzクロックで使用してください
 *v1.42K→1.421Kに差し替えました。 2013.1.24
  LCDへの書込みを表示内容に変化があった場合のみに変更
  周波数メモリー記憶までの長押し時間を調整
  送信中のメモリー操作を禁止
  送信中のダイアルステップ切替操作を禁止
  構文エラー修正(v1.421K Bascom-AVR2.0.7.5対応)
*プログラムv2.0Kをアップしました。 2016.1.25
  同調操作時のノイズ対策のためDDSへのデータ書き込み方法を変更し
  ています。
  

 本プログラムの利用により不具合が生じても作者は責任を負いません
 ので個人の責任でご利用ください。
 
*不特定先への配布、無許可での転載および商用利用は禁止します


主な交信実績

SSBモード
[自局位置]     [相手局位置]             [his/my] [概算距離]
自宅(相模原市)   神奈川県横須賀市  大楠平移動    59/55 約35km
          神奈川県足柄下郡湯河原町ゆめ公園移動 59/59 約44km
          静岡県御殿場市   長尾峠移動    59/53 約46km
          埼玉県飯能市    有馬山移動    59/59 約50km
          静岡県静岡市清水区 日本平移動    59/53 約102km
          茨城県桜川市    筑波山付近移動  59/59 約100km
            同       足尾山移動    59/51 約110km
          東京都西多摩郡桧原村奥多摩周遊道路  59/59 約42km
          東京都目黒区             59/55 約30km
          群馬県前橋市    赤城山移動    59/59 約110km
          沖縄県那覇市    Es伝播     59/55 約1500km
          オーストラリア ウランガン付近 TEP伝播    59/59 約6700km

自宅前直付ホイップ 神奈川県中郡大磯町 鷹取山移動    59/55 約20km


CWモード

[自局位置]     [相手局位置]             [his/my]
自宅(相模原市)   埼玉県飯能市           599/599 約 50km
          群馬県前橋市           599/599 約110km
          三重県尾鷲市           559/559 約330km
          北海道函館市    Es伝播   579/559 約700km
          北海道斜里郡    Es伝播   599/599 約1000km
          韓国水原市     Es伝播   599/599 約1100km

                                               (C)JA1VZV 2011-16
                                                2016.1.25最終更新


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