直線上に配置

ICB-700A改 10mAMトランシーバ


1 10m化改造(1) 送信水晶交換、受信水晶交換とVXO付加

 ソニーICB-700Aを、通称猫山に出没するM氏によるICB-700A改のスケルチVRで受信局発VXOを可変するアイデアを頂いて28MHz化改造しました。
送信は水晶発振固定(28.305MHz実装)、受信は水晶発振による固定チャンネルとトランジスタをバリキャップ代用に使用した電圧制御VXO(VCXO)による可変に切替えられます。

今回入手したセットはDCやイヤホンジャックが錆びていて、外装にもかなり錆がでていました。
補修としてはDCジャック交換、イヤホンジャック交換、伸びたマイクケーブル交換、断線したダイナミックマイクユニットをエレクトレットコンデンサマイクに置換え、再塗装をしています。
外装色が黒くなったので愛称もICB-700B(lack)ということに・・

基板など内部はきれいで、電気的にはお約束のプラ水晶の周波数ズレだけで、ボリウム類のガリやスイッチ類の接触も問題ありませんでした。


【改造方針】

1 外観はできる限り元のデザインを生かす。
2 既存のチャンネル切替スイッチを利用して1chは28.305MHz固定ch、2chは送信28.305MHz、
  受信は送信周波数を含む範囲を可変できることとし新たに局発回路を組み込む。
3 新設する局発回路は入手できた部品にあわせて適宜変更する。
4 スプリアスについては10m化改造した後に必要な追加対策を行う。


【送信部の修理と改造】

 マイク断線は、小型のダイナミックマイクユニットが入手できなかったのでエレクトレットコンデンサマイクに交換しました。
迫力のあるダイナミックマイクの音に比べると抜けの良いきれいな音になっています。

送信発振部の水晶は機種指定でアルト電子(残念ですが廃業)に発注しました。
チャンネル1の送信水晶を28MHz用水晶に交換し、チャンネル2の水晶も撤去して1-2チャンネル間をジャンパー線でショートしておきます。
将来送信水晶を2波実装にする場合はジャンパーを外すだけで復旧できます。

調整ですが、ローディングコイル手前にあるテストピンでローディングコイルを含むロッドアンテナアンテナ側と送受信機側を切り離すことができますので、個別に調整してドッキングすることにしました。

送信部は改造前後の周波数が近いので同調コイルは調整で最大出力が簡単に得られます。
一方フィルタコイルは測定器が無いと大変です。
28MHzの出力は改造前と同じに出ましたがスプリアスが多くて、現在の無線設備規則の要求は満たさないことが判ったのでT形LPFを追加しました。
LPFはローディングコイル付近の3本のテストピンにはんだ付けする形で固定してあります。
測定したところ通過損失0.2dB以下で、高調波は規制値に対して十分余裕のあるレベルに低減しました。(下写真参照)

ローディングコイルを含むアンテナは、アンテナアナライザをつないで27MHzにてVSWR1:1.2以下を確認できたので、28.3MHzに合わせてローディングコイル調整し直しました。
調整する時にシャーシに触れながら調整するのがポイントです。
最終的には送信部と組み合わせて、アンテナからの放射が最大になるよう再調整した方が良いのですが、アンテナのマッチング状態が良好なので問題なく使えています。

   改造後の出力:440mW(DC12V無変調時)・・・LPF無しでは460mWでした
   送信周波数 :28.3049MHz

特注クリスタルに交換した後 増設したLPF(同軸は測定用)
LPF増設前の高調波の様子 LPF増設後の高調波の様子


【受信部の改造】


 受信部はチャンネル1が28.305MHz固定、チャンネル2が可変となります。

固定チャンネル受信用水晶は送信用と同時に作ったアルト電子製です。
既存の水晶を撤去し、チャンネル1の場所に新しい水晶を取り付けて発振させれば、ある程度の強度の信号は受信できますので、受信部の各コアをピーク調整するだけです。

可変受信用の局発ユニット(詳細後述)からの信号はチャンネル2水晶跡のパターンを利用して水晶発振回路のコレクタ同調回路に結合する方式としました。
発振用トランジスタのベースに注入する方法も試しましたが、改造が簡単で信号もきれいなため、このやり方におちつきました。

水晶発振回路とVCXO局発ユニットへの電源は、チャンネル切替スイッチの未使用接点を利用して受信6V電源から切り替えています。

局発ユニットはフロントパネルと電池ケースの接続端子の間にマウントしました。
主基板にある既存のタッピングビスを使ってL金具を固定し、そこからさらに10mmの樹脂間座でユニットを固定しています。
またL金具とプリントパターンの接触防止のため主基板との間には絶縁板が入れてあります。
樹脂間座はユニットの裏側に金属部が近接すると発振周波数が下がるので、その対策と配線のショート防止を兼ねています。

周波数は電圧で操作するため、スケルチボリウムをチューニング用に転用します。
スケルチボリウムはカーブが特殊で、受信範囲の一部がかなり詰まりますので、抵抗をパラ付けして若干ですが緩和してあります。

受信ミキサに供給するレベルは水晶発振を基準にVCXOの出力にあるコンデンサを調整して同じにしてあり、局発の違いによる感度差は測定数値上はありませんでした。
以下は調整完了後の感度測定値です。

   受信感度: -1dBu.EMF @S/N10dB1kHz30%mod
   受信局発誤差は約+150Hz程度でAM受信用には全く問題ありません


【本体改造回路図】

     
改造部の回路図 クリックすると拡大します↓


【局発ユニット】

 実装可能な回路規模と、できるだけ外観を変更しない操作方法ということでスケルチボリウムを利用したVCXO方式にしました。

使用する水晶が肝ですが、今回はサトー電気の既製水晶からHC-49uタイプの14.000MHzを2個使ってスーパーVXO構成とし、2逓倍して27MHz台の局発信号を作っています。
最近の既製水晶はVXOに適さないHC49usタイプの水晶が大半となっていますので、この水晶も何時まで入手できるか判りません。

同調用のバリキャップも問題で、必要な可変範囲を得るのに手持ちのバリキャップダイオードとトランジスタのC-B間を代用する方法を試して、結果2SC1957が必要な可変範囲を得られたので採用しました。
チップサイズの大きいRF用トランジスタが向くのではないかと考えています。

調整後はDC入力0〜9Vにて28.290〜28.356MHzの受信範囲をカバーできました。(実際の発振周波数は(受信周波数-455kHz)/2)
周波数変動は室温中で10Hz桁がゆっくり動いて200Hz程度で収まっていますので自励発振にならない範囲で働いていると思います。

制御電圧は元の12V電源が下がってもできるだけ9Vを保つように、ロードロップタイプのTA78DSシリーズを使っています。

    VCXOユニットの回路図 クリックすると拡大します↓
局発(VCXO)ユニットの部品配置

ユニットは2.54mmミリピッチのユニバーサル基板で組んであります。

中央の○部がM3用間座で取付けるための逃げですが、取付け方法を工夫すれば基板自体のサイズをもう少し小さくできます。
局発ユニットの本体への実装

コイルや水晶周りは、多少の断熱効果を狙ってパラフィンコーティングしてあります。

ユニットは主基板既存ネジを利用して立てたL形金具と絶縁スタッドで取り付けてあり、取り付けたままVXOコイルが調整できます。

右端に見えているボリウムが同調用に転用したスケルチです。


2 10m化改造(2)
DDS局発によるフルトランシーブ化

AD9850搭載中華DDSユニットを使ってフルトランシーブ機に再改造しました。

カバー範囲は、10kHzステップモードで28.175〜28.425Mz、細かく周波数が合わせられる500Hzステップモードで28.1745〜28.430MHzに設定しました。
電源を入れると10kHzステップモードで、ランプSWを押しながら電源を入れることで500Hzステップモードに切り替わります。
また、チャンネル1では28.305MHz、チャンネル2で周波数可変となります。

スケルチボリウムからの電圧でDDSの周波数を制御する(VcDS)方式なので、外観は周波数目盛が違うだけで他は変わっていません。
目盛を実測で打っているので、10kHzステップでは必要な周波数に容易に合わせることができす。


【本体改造】
 DDS化のための主な改造項目:

1 VcDSユニットに使うため電池ボックス接続端子金具を取り外す
2 スケルチボリウムを10kB、シャフト長15mm18山セレーション軸ものに交換する
  (秋月で購入しました)
3 送信水晶を撤去し、代わりに外部接続用のカップリングコンデンサを付ける
4 送信チャンネル切替回路を切り離し、コモン側を接地する(Call CH用)
5 受信局発回路から水晶切替回路を切り離す
6 受信局発回路に外部接続用のカップリングコンデンサを付ける
7 VcDSユニット(後述)の組立・単体調整
8 VcDSユニットの本体組込・調整

 本体改造回路図は→ここをクリック


【VcDSユニット】
 ICB-700Aは大きな筐体なのですが、意外にまとまって空いている場所が無く、改造のし難い機種です。
前回改造でVCXOを収めた場所にDDSユニットがギリギリ収まることが判ったので、制御-I/F基板を同じサイズで作って2階建てにして収めることにしました。

(注)使用したDDSモジュールのサイズは30x42mmです。
   ネットオークションなどで売られてる25x45mmで部品に厚みがある物は、電気的には使え
   ますが、実装できるかは検討していません。

DDSユニット(左)と同サイズの自作制御-I/F基板 基板を収めた場所
基板の収まり(上面より) 基板の収まり(2階建ての様子)
 制御-I/F基板に使用しているコイルはサトー電気7角ボビンに巻いた自作品です。
0.2UEW 5t+5t:3t ですがタップは使わないので、単に10t:3tでもかまいません。
市販の28MHz用コイルでも問題ありません。
このアンプは送信時にDDSの出力を増幅して本体に供給するものです。
受信時はDDS出力から分岐して出力を得ているため、このアンプは使用しません。

DDS基板は秋葉原やネットオークションで入手できるAD9850搭載の中国製品です。
ロットによって搭載部品が異なりますが、DDS-ICに対するI/F信号名は同じです。

高さを抑えるため外部接続用と設定ジャンパ用のピンヘッダを除去していますが、この作業はパターンが切れやすいので気を使います。
必要なジャンパと外部接続で接地する端子は、ピンヘッダを除去したら接続しておきます。

2枚の基板からは夫々リード線を出しておき、組立状態に合わせて基板間の接続を済ませます。
リード線・同軸ケーブルをあまり短くすると作業性が悪くなりますので、後で基板を分離して作業が出来る程度に長めにしておきます。

配線が済んだら組み立てます:
 ・DDS基板は間座を挟んでLアングルに片持ちで固定
 ・Lアングルは3端子レギュレータと共締めで既存金具に固定
 ・制御-I/F基板はDDS基板に間座を挟んで固定

これで本体側に接続するVcDSユニットのでき上がりです。

サービス性はかなり悪いですが、自分が大変なだけなので詰め込み優先にしました。

この状態で受信局発(送信ー455kHz)信号と送信キャリア(約20mW)が得られるVFOとして機能します。

 無線機にMPUを組み込むと、たいていの場合ノイズ問題がありますが、今回も外装ケースを取り付けると受信に飛びこむノイズが増えるという問題がありました。
シャーシにノイズが乗っていて、外装ケース経由でロッドアンテナに近づくためノイズが増加する様で、アンテナ周りをシールドしようとすると逆にイズが増える結果になります。
本来は発生源を厳重にシールドしたいところですが、狭くてできそうもありませんので、そのまま組み込むことにしました。

内部キャリアやノイズなどはMPUのクロック周波数をずらしたり、プログラム上の工夫で減らしています。
完全には取りきれてはいませんが、使えるレベルにはなっています。
MPUのクロック周波数を少しシフトさせるだけでとりあえず回避できるものが有りますので、クロック周波数をシフトする機能も組み込みました。

 VcDSユニットの最新回路図は→ここをクリック


【調整】

□VcDSユニット単体調整

 単体で全ての制御動作確認とI/Fアンプ部分の調整ができます。
RX用出力とTX用出力に51Ωの抵抗を取付け、同調ボリウムも接続します。
アンプ部の2つのコイルは送信モード28.305MHzでのピーク調整だけです。
使う周波数範囲が狭いので、周波数を上下に振っても出力レベルが大きく変わらないはずですが、念のため確認しておきます。

 各入出力
   PTT :+V(6-12Vくらい)を加えると送信周波数を出力、加えないと-455kHzを出力
   CALL:GNDにつなぐと28.305MHzに固定され、オープンではTUNE VRが有効になる
   STEP:+Vを加えてC5V電源を加えると500Hz、開放でC5Vを加えると10kHzステップ
   VR2 :TUNEボリウム入力 VR3はAVCC5V VR1はGNDに接続
   T6V :送信アンプ電源、送信時に6Vを加える(通常はPTTと接続)
   RX out:約100〜130mVpp(PTT OFF)
   TX out:約2.5〜3Vpp (PTT,T6V ON)

   * +Vは+5〜16V程度

□本体と接続後の調整

受信局発注入レベル
 本体局発回路の同調回路でコイル2次側のレベルを70〜100mVppに合わせる

送信調整
 測定器が無いと調整は難しいです。
 本体の同調コイルはピーク調整、変調を掛けた際に異常が出る場合はI/F側のコイルを調整
 すると安定するようです。
 すべてピーク調整で合わせていくと出力は上がりますが、変調が浅くなったり、ピークで
 発振するなど副作用が出ました。
 フィルタコイル調整は効果はありますが調整に測定器は必須です。
 本機は以前にLPFによる高調波対策をしているので高調波は規制値内に収まっています。

  改造後の出力:500mW(DC12V無変調時)*調整状態でかなり変わるので参考まで

目盛板作成
 可変抵抗の角度と周波数の関係は、5度間隔の測定用目盛板を作って仮付けし、送信周波数
 とツマミ位置をチェックしています。
 この結果を元に本作用の目盛板を作成しました。
'TUNE'の可変抵抗は通信工業用24φ形を使いたかったのですが、加工が大変ので、変更前と同じ16φ形18山セレーション軸のものを秋月で購入して交換しています。
写真では見えませんが、可変抵抗の直線性が悪くて一定間隔になってない部分があります。
可変抵抗を交換する場合は、回転範囲や直線性に違いがあるため、目盛板を作り直す必要があるかもしれません。

目盛板は市販のインクジェット用シール用紙に描画ソフトで書いて印刷しています。

今回使用したシール用紙は耐水性がないので、梱包用透明テープを重ねて貼って保護しました。

MPUクロック調整
 今回の改造ではMPUのクロック周波数をシフトする回路を組み込んであり、ve1.04以降のプロ
 グラムに対応します。

 本機では、ノイズが少なかった558.5kHzを選んでクロックに使用していますが、10kHzモー
 ドで28.285MHzにMPUノイズが被ります。
 使用頻度が高いところですので、前後10kHzの範囲でクロック周波数をシフトして、MPUから
 のノイズが受信帯域外にしています。
 シフト後の周波数は560.08MHzです。

 これらの周波数は手持ちの560kHzセラミックレゾネータを回路図の様に使った結果で、特に
 調整などはしていません。
 クロック周波数によってノイズの入り方が異なりますので、高調波が運用帯域内に入らない
 範囲で具合の良い周波数を見つけることと、ノイズの出る周波数に合わせてシフトさせる運
 用周波数の範囲を選ぶ必要があります。
 クロック周波数は低いほうがノイズは減る様に感じています。

 (注)クロック周波数は整数倍が運用帯域に入らないように選ぶ必要があります。
   560kHzのものは入手できる先が少ないので、実機で実験していませんが500kHzが候補に
   なるかもしれません。
   MPUの動作としては内臓128kHzクロックでも支障なく動作しています。

 現状10kHzステップモードでは、ほとんどのノイズは抑えられていますが、500Hzステップ
 モードの28.283MHz付近で内部キャリアが聞こえます。
 受信局発周波数(28.283MHz-455kHz=27.828MHz)の10倍とDDSマスタークロック125MHzの2倍の
 差(27.828MHzx10-125MHzx2=28.28MHz)が原因と考えています。
 この通りなら受信周波数の変化が10倍で効きますから、10kHzステップの場合は、28.285MHz
 では差の10倍である30kHzずれて受信帯域外となり影響しないはずで、実際に内部キャリア
 は聞こえません。

 500Hzステップでも1kHzずらせばビートは聞こえなくなりますし、AMモードで1kHzずれは実
 用上問題ないので、今のところ対策は考えていません。

【送信スプリアス確認】

 写真は改造後の送信スプリアスの様子です。
高調波は今回改造前とほとんど変わらず、高調波以外の大きなスプリアスも出ていません。
実装上シールドが出来ず、追加したアンプ部分の同調回路も最少としたので心配でしたが、思いのほか良い出力状態でした。

【上左】
 高調波は今回改造前と変化ありません。
スプリアスは規制値(ー13dBm)に収まります

【上右】
 主信号周辺に細かい山が多数見えます。
まったく問題ないレベルですが、アナログOSCに比べるとスッキリしませんね。

【左】
 主信号から200kHz足らずのところに小さい山が見えています。
この山は主信号の周波数によっては主信号に重なってきますが、レベルが低いので、送信音には影響ありません。


【プログラム】

 制御プログラムはBASCOM-AVRデモ版を使用して制作しました。
送信は28MHz帯直接出力、受信は-455kHzに設定してあります。
コンパイル後のサイズは2kBを少し越える程度です。

VcDS方式では周波数ツマミの位置が周波数に対応するため、交信中にうっかり触ると周波数が変わってしまいます。
そこで自作6m機でも採用した、一度送信すると周波数ツマミ±3kHz以内の変化であれば周波数が変わらない機能を組み込んであります。
±3kHz以上ツマミを動かすと機能は解除されて、運用周波数はツマミに追従するようになります。

ノイズ対策として入力電圧が一定以上変わったときと送受信が切り替わったときにだけDDSにデータを送るようにしています。
また入力を読み込む間隔を調整することでもノイズ被りの軽減を図っています。

今回の機構ではシールドが難しいので、内部スプリアスのある周波数周辺でMPUクロック周波数をずらす方法でもノイズから逃げるようにしました。
現在は28.275〜28.295MHzの範囲でシフト制御信号を出し、ハードウエアで周波数をシフトしています。
MPUクロック周波数は外部回路で決まります。

その他の機能は

 最新プログラムは→ここをクリック

  BASCOM-AVRで書いた内容をテキストファイルにしてあります。


3 付録 2SC710に関する実験

 ICB-700Aには劣化することで知られている2SC710がRXミキサ、RX局発、IFアンプ(2段)の4箇所に使われています。
現在の受信感度は0dBuV(1uV)@S/N10dB,1kHz30%modで悪くはないですが、Sメータが重くて感触が良くありません。
劣化し始めている可能性があるので外したところ、足はやはり黒化していました。

hFEを測ってみると

  No.1 50
  No.2 82
  No.3 72
  No.4 28
  という結果で、規格表での最小hFEは35ですからNo.4は既に劣化しています。

2SC710の代わりに手持ちの石と交換して各コイルを再調整したところ、Sメータの振れ始めが早くなり弱い信号でもSの変化が読み取りやすくなりました。

一般のラジオなら感度が戻ればOKですが、Sメータが有るので多少の調整が必要になります。
強い信号でSメータが詰まる傾向があるので、R201(IF増幅初段のバイアス抵抗)を調整してS8までは振れるようになりましたが、そこから目盛S9まではかなり大きな入力が必要です。
目盛S8がアマチュア機のS9程度の入力レベルになりましたので一応良しとしました。
別のICB-700Aでは同じ石を使って振り切れ状態までスムーズに振れましたので、Sメータ周りはもう少し突いてみる必要がありそうです。

弱い信号に対してSメータが軽すぎ
るので、局発レベルを下げたところ、概ね入力3dBがS1になり振れ感がよくなりました。
S8目盛での飽和傾向は変わりません。
ミキサの変換利得が下がったはずでが、レベル調整前後の感度は-3dBuVで変わらず、SGの最大出力でも変調音声は聞こえますから不都合は出ていません。
2SC710交換前の感度は0dBuVでしたので3dB改善されました。

代替品は微妙に違うので、元気な2SC710が欲しいところです。



                                      (C)JA1VZV 最終更新2015.02.03




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