IC-7300には時計が付いていますが、満充電まで2日間電源を入れるというのは現実的ではありません。 過放電保護もなく電池自体の劣化も心配ですので充電時間を短縮できて過放電で壊れる心配がないスーパーキャパシタに置き換えることにしました。 何件かネット記事もヒットしましたので参考にさせていただきました。 使用したキャパシタは秋月電子で入手した1.5F5.5Vです。 充電実験では10分で満充電電圧近くまで上がりますので充電の時短は確認できました。 バックアップがどの程度持つかは時計ICのバラつきも関係するので実装しての実験が必要です。 最低でも1週間、できれば1か月程度持ってくれれば管理が楽になりますね。 *改造後の動作です 30分*充電中に時刻合わせ ↓ 5.5日(132時間)後 ↓ 通電1分 通電中に時計確認=OK ↓ 2日(48時間)後 ↓ 通電1分 通電中に時計確認=OK ↓ 2.5日(60時間)後 ↓ 時計確認=OK *10分でキャパシタはほぼ満充電ですが今回は30分間充電しました。 【2022.4.27修正・追記】 時計リセット状態から1分充電では72時間後に時計は動作していましたが 96時間後にはリセットしていました。 1分充電で3日間保持できることがわかりました。 時計リセット状態から10分充電では7日目までOK、8日目ではリセットして いました。 10分充電での時計保持は1週間が限度の様です。 保持時間がもう少し長いと使い勝手が良いので別の方法を試したところ 改造が少し楽で保持時間が長くなりました→6項をご覧ください 【ご注意】 工程は複雑ではありませんが細かい作業になります。 細かいハンダ作業に慣れない方は手を出さない方が良いと思います。 作業は自己責任で実施してください。 1.電池の場所 電池は写真の位置にあります。 操作パネルが手前です。 2.電池付近の様子 中央の電池を外すことになります。 3.電池取外し後 電池を取り外すとこのようなランドが残ります。 筆者は低温ハンダを使用して電池を取り外し、編組線でハンダを除去してからアルコールで清掃しています。 4.充電電流制限抵抗取付け キャパシタが空だと充電開始時に大きな電流が流れるので、制限抵抗を取り付けます。 今回は10Ω1/6W両リードを利用しました。 元の回路に戻すことになった場合も楽だと考えたためです。 時計回りの回路は下図のようになっています。 5.スーパーキャパシタの実装 移動時の振動などでもキャパシタが動かないように、リード出しして両面テープで固定しました。 万一外れてもキャパシタの充電部がどこかに触らないよう気休めですが表面にテープを貼ってあります。 6.改造個所が少なく効果の大きい方法 2022.9.10追記 元の充電池に加えて短時間で充電できるスーパーキャパシタの恩恵を得られる方法です。 パラ付けするだけなのでオリジナルの状態にも戻すのも簡単です。 充電に時間が掛かるバッテリは残してIC381の電源端子にキャパシタを接続しています。 電源がオフの場合で充電池が満充電でない場合はキャパシタから充電池へ充電電流が流れますが、両者の電圧が同じになれば電池の影響は無視できます。 追加する部品です キャパシタに抵抗をハンダ付けし、この上にチューブを被せて絶縁します。 接続場所は下図の通りで、先の細いはんだごてを使わないと作業が難しい場所です。 赤線(+)は図のチップコンデンサにハンダ付けします。 青線(グランド側)は電池の−側ランドを使って接続していますので、電池の外側(+電極)とブリッジしない様に注意が必要です。 +線をつないでいるチップコンデンサの反対側など他のグランドに接続しても構いません。 加工後の様子です。 キャパシタはICの上に両面テープで固定しました。 この改造により短時間電源オンして1週間くらい放置するような運用でも時計が保持されるようになりました。 電池をスーパーキャパシタに置き換える方法より作業自体も簡単でした。 |