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IC-DPR3外部電源改造



 IC-DPR3には外部電源ジャックが無いので、BP-273乾電池ケースを改造して作ってみました。
外部DCでリチウム電池パック使用時と同じ1W出力まで可能になります。

  *この記事により改造および実験する場合は自己責任で行ってください。


1 7.5V入力用簡易改造  
*絶対にDC12Vを直接掛けないでください
BP-273を分解すると端子部分の裏側に回路基板が収められています。

調べてみると乾電池の端子電圧より電池ケースの端子電圧のほうが高くなっていますので、この基板は昇圧型のDC/DCコンバータだとわかりました。

こんなところに電流が流れているということは、電池を入れっぱなしにするのは怖いですね。
はんだを2箇所取るとDC/DC基板が外せます。
今回は不要なので、元に戻す場合に備えて保管しておきます。

S端子はマイナス側と接続されているのが見えます。

(上の写真とは天地が逆です)
S端子とマイナス端子の間を切断し、S端子とプラス端子の間を抵抗でつなぎます。

S端子をプルアップすると、リチウムイオン電池パックと認識するようです。

手持ちのIC-DPR3は10kΩで問題なく働いていますが、何も資料が無いので、最適かどうかは確認できていません。

外部接続端子と電池の端子を接続します。

電池端子は右端がプラス、中央がマイナスなので、実装状態では写真のように配線が交差する形になります。
外部電源入力はDCジャックにしました。

内部の電池端子との接続は単三型の短絡アダプタ(Ni-Cd10本の代わりに単三電池8本使うときに使うもの)です。

左端の大きなコアは念のための回りこみ対策です。

写真には写っていませんが、最終的に逆接対策のダイオードをDCジャックの端子間に入れました。(回路図参照)
 雑音対策のチョークはコア材(外径11φ、内径φ、長さ25mm、材質は購入時に43材相当と聞いています)にビニル電線をガラ巻き2回です。

回路と動作

 以下が改造部分の回路図です。

改造としては単純な内容です。
昇圧DC/DCコンバータが入っているとは思いませんでしたが、電池が入っている間は僅かでも電流が流れるので液漏れしないか心配ですね。

乾電池ケースとリチウムイオン電池パックの識別はS端子の状態を電源投入時にだけ見に行くようです。

乾電池と認識している場合は、出力が0.2Wに固定され、表示も乾電池マークになります。
電源電圧が5Vを切るあたりで過放電防止機能が働いてシャットダウンします。

リチウムイオンパックと認識している場合は1Wまで出力が設定でき、電源の端子電圧に応じて充電池の残量が表示されます。
過放電防止機能が働く電圧も6V台にあがります。

逆接防止用のダイオードは1Aクラスの整流用です。
直列では電圧降下が大きいので並列に入れて、外部のヒューズをとセットで保護するようにしました。
 手持ちの13.8V入力→7.7V出力のモービル電源アダプタを外付けして動作を確認しました。


2 12V電源用降圧コンバータ組込

 外部に電源アダプタをつけるのは邪魔ですし、うっかりDC12Vを掛けてしまう不安がありますので、スイッチング方式の降圧コンバータを組み込んでみました。

 
 *コンバータノイズの影響について本項文末に加筆しました。

シリーズレギュレータは密閉状態の電池ケースに収容するには発熱が大きくすぎます。
ノイズが心配ですがサンケンMPM80スイッチングレギュレータを使いました。
流石に発熱は少なく、ヒートシンクは使ってません。

ノイズが被るといやなので大き目のコアを入出力に入れています。

回路ユニットは入出力4本の電線でケース側と接続されているだけで、固定はしていません。
BP273の蓋を閉めると動かなくなります。
 雑音対策のチョークは簡易改造と同じコア材に対撚りしたビニル電線を4回巻き込んでいます。

回路と動作

 降圧コンバータを含む回路図です。

降圧はサンケンMPM80を使用し、入出力にフェライトコアとパスコンを追加しています。

ケミコンはMPM80指定の電源用低インピーダンス品です。

電圧調整は10kΩ抵抗で行いますが、ほぼ計算どおり7.48Vになりました。

電源保護用として、1次側の逆接保護ダイオードに加えてMPM80故障時に本体に外部電圧が直接掛からないよう2次側にツェナーダイオードを追加しました。
念のためポリSWも追加しましたが、切れるのに時間が掛かるので、外部ヒューズは必須です。
 MPM80の仕様では「入力電圧≧出力電圧+3V」とのことですので鉛蓄電池では問題なく使えます。
入力電圧10Vでも負荷の軽い受信中なら電圧は維持できています。

IC-DPR3入力電流は12Vで送信時360mA(実測出力0.99W、終端電力計)、受信スキャン時100mA。
(アンテナを付けて送信すると環境で変動します)
発熱は送信時1/2W程度、受信時1/6W程度と見込まれるので、密閉環境でも問題なさそうです。

気になるノイズですが、IC-DPR3にセットした状態でFT-60を351.2MHzにセットして近づけると、ノイズレベルが若干上がります。
IC-DPR3の受信感度にどの程度影響するかノイズの少ない屋外でバッテリパックと付け替えて比較したところ、アンテナマークなしのケロるレベルの信号がマスクされることがありますが、ほぼ問題なく使用できました。
1Wで呼べば取ってもらえる程度の信号は復調できていると思われ、ごく弱い信号を追う必要があるときだけバッテリパックを使えば十分実用にできそうです。
DC/DCのロスが僅かなので、電源の限られた移動運用にも適すると思います。

さらにDC/DCのノイズを調べていたところ、2.5m程離れた国内CB機の3ch(27.080MHz)に被る現象が見つかりました。
心配していたスイッチング周波数の高調波の影響が、こんな所にでています。
写真のように10〜60MHzにスイッチング周波数の高調波が出ていて、27MHz丁度付近に比較的強い高調波(写真下の*印)が見られます。(簡易測定なので傾向の参考程度です)
DCコードにコアを追加すると若干レベルが下がりますが、取りきるまではいきませんでした。
200MHz以上はブロードノイズだけでノイズの山は見えませんでしたので、周囲への酷い影響は無いだろうと考えています。

シリーズレギュレータに代えればノイズは無くなりますが、放熱対策など課題がありますので、もう少し試験を続けてから再検討するつもりです。

*屋外での受信試験の結果を内容に反映しました 2014.11.04
*DC/DCからの不要輻射について追記しました  2014.11.11

                                                  (C)JA1VZV 2014.10.17
                                                   最終更新 2014.11.11
                                             

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