このトランシーバは、6mAM自作機の定番2SK241,TA7358AP,LA1600が収束方向ということで、これらを使わずに作るシングルスーパ受信機の実験を兼ねてポータブル機にまとめたものです。 何かの参考になればと掲載しました。 製作が終わった頃、このトランシーバにもたくさん使っているFCZコイルが生産終了という話が飛び込んできました。 少し試してみましたが、AMZコイルやサトー電気のコイルでも大丈夫のようです。 ただし10.7MHzコイルが無いので共振回路の調整は必要です。 1 概 要 主要回路は、「受信」「送信/変調」「VXO」「AF-ALC」「RF-AGC/SQL」「マーカ」の6ユニット構成で、 タカチUC17-5-12ケース(幅17cm×高さ5cm×奥行き12cm)に単三8本と共に収容しました。 製作を開始したときにケースと受信部の回路は決めていましたが、送信部の回路は後で考えることにして順次作っていったため、結果としてユニット分けにした構成になったものです。 不具合や改良は、対象のユニットだけいじれば良いだろうという作り方です。 500mWという出力も国内仕様CB機並みにという単純な発想です。 受信部はIF周波数10.693MHzの高1中3シングルスーパで、高周波部はデュアルゲートMOSFETのRFアンプと耐入力の大きいDBM-ICで構成し、IF部は自作の6素子水晶フィルタとトランジスタ3段のアンプです。 AGCはRFトップのPINダイオードATTとIF各段に掛けてあります。 今回、受信部とVXOにはチップトランジスタを使いました。 基板の穴あけが少しでも減らせるのと価格が安いので(目が見えるうちは)チップ品になりそうです。 受信付属回路として、Sメータ・スケルチ・BFO・ANL・RF-AGC制御回路・マーカOSCを載せています。 送信部は局発・ミキサ・送信増幅回路・変調回路などで構成し、終段は2SC1957でキャリヤ出力500mW、変調方式は終段コレクタ変調です。 送信部のトランジスタは冒険を避けて3本足の定番品を使っています。 送信部に使うトランジスタは、多くが保守品か生産終了となっていますので、価格も含めて今後どのように構成するか悩むところです。 変調部はLM386N-4パワーアンプの前にTA2011SによるAF-ALCと3kHz-LPFを実装し過変調防止と帯域制限で良好なAM電波が出せるように考慮しています。 局発は約40MHzで、原発振20MHzのスーパVXOを2逓倍して出力され、送信ミキサと受信ミキサに供給されます。 調整後のカバー範囲は50.48〜50.66MHzとなっています。 2 主な性能など 公開時点での数値です。 電波形式 A3E 周波数範囲 50.48〜50.66 MHz 局発方式 スーパVXO ・水晶発振 送信終段 2SC1957 変調方式 終段コレクタ変調 送信出力 500mW(無変調、外部DC13.8V) スプリアス -20dBm以下 受信部構成 高1中3シングルスーパヘテロダイン 受信感度 0.8uV @S/N10dB,1kHz30% IF周波数 10.693MHz IF帯域幅 6.8kHz -6dB 不要輻射 -80dBm以下 電 源 内臓単三乾電池 8本 または 外部DC13.8V 消費電流 受信時 約55〜180mA 送信時 約240〜430mA (外部DC13.8V時) 本体サイズ 幅170mm x 奥行120mm x 高さ50mm (ケースのみ) 幅181mm x 奥行137mm x 高さ50mm (突起部含) 重 量 本体 880g 全備 1.2kg 電池、ショートアンテナ、SPマイク等含 (記事最下段、写真の状態です) 3 ブロック図・回路図 最新の図面を以下に掲載しました。 改造等のため断り無く更新する場合がありますのでご注意ください。
4 ケース構造とユニット等の配置 タカチUC17-5-12はポータブル機に手頃な大きさですが、基板と電池を並べて置く余裕がないので、中仕切り方式で裏表に基板や電池を配置しています。 中仕切りは上下ケースをつなぐ板にLアングルを介して固定されていて、材質はシールドを兼ねたフェノール片面基板です。 強度などの面ではガラエポ両面が理想的ですが、加工しにくいこともあって、もっぱら安いフェノール片面を使っています。 中仕切りの上面側には金属支柱を立てて、調整が必要なユニットを配置しました。 下面側は主に電源スペースで、単三8本分の電池ホルダ・外部電源ジャックのほか、マイクジャックに近いということでAF-ALCユニットを取付けてあります。 変調トランスに使用しているST41Aは背が高いので、取付け方が問題でした。 中仕切り下側の高さが乾電池とホルダで決まっていますから、上側に残った高さではトランスを取付けると微妙にケースが閉められません。 結局トランス部分の中仕切りを切り抜き、基板厚み分だけ下げて取付けることにしました。 トランス取付板はプリント基板を使い、裏のスペースは外部電源の逆接防止ダイオードの取り付けと電源分配に利用しています。 操作パネルにはバリコン以外の操作部品とコネクタを取付けてあります。 送信時に回り込みを起こしたため、BNCとマイク・スピーカジャックは、パネルと絶縁してあります。 ジャックの絶縁はベーク板などに取付けることが多いですが、パネルを追加工したくなかったので、塩ビ板を切り抜いたワッシャと収縮チューブで絶縁しました。 BNCの絶縁は他社のBNCコネクタ絶縁部品を流用しています。 VXOのバリコンは、パネルからの振動を嫌って別の板に取付け、パネルを固定している溝とは別の溝と中仕切り板で挟んで動かないようにしています。 バリコン後方の空間は、当初、C社製の6:1減速器を組み込んでいた跡です。 当初目盛板を取付けた部分とバリコン軸が回転操作によってズレるということが判り、バリコン軸の角度を機械的に読み出す工作が大変なので減速器は撤去しました。 直結でもゼロイン操作は支障なくできています。 ツマミはサトー電気の延長シャフトを使って取付けました。 この形状では必ず使う外部マイクをスピーカマイクにしたため、本体にスピーカはありません。 スピーカ前面の気を使う加工を省略でき、VXOなどへの振動の心配ないので、ケース加工がずいぶん楽になっています。 上下のケースを止めるネジは、付属の短い皿ネジで止めるようになっていますが、電池交換や調整で開閉することがあるので、化粧ネジに交換しました。 ケース内の配置は下の写真のようになっています。 リヤパネル左側のスライドSWはマーカON/OFF用です。 ポリバリコンの下がマーカOSC、バッテリホルダの右は外部DCジャックです。
5 VXO FEMTOの設計を流用させていただき、20MHz原発振の2逓倍で40MHzを得ています。 これを1段増幅した後、IF10.693MHzの受信部と送信部に供給しています。 この周波数構成では、原発振の3倍が漏れると49MHz付近に強いスプリアスが出やすいので、60MHzのトラップを追加しています。
VXOのトランジスタは全て2SC1815Y互換といわれる2SC2712Yを使う予定でしたが、発振しなかったので発振段のみ2SC2715Yに交換しています。 どちらのトランジスタもチップ形です。 当初水晶1個のVXOでしたが、発振周波数が高い方に寄り、可変範囲も不足だったので、スーパVXO構成にして50.48〜50.66付近をカバーできました。 水晶は以前にサトー電気で購入したHC-49/u形です。 回路図上には出てきませんが、可変範囲の調整のためバリコンとパラに5〜6pFの容量が入っています。 基板とバリコンをつなぐ同軸ケーブル0.8D-2V(約5cm)の線間容量を利用していますので、長さを変えると当然影響します。 同軸ケーブルの使用によって基板配置に制約は受けますが、ボディエフェクトが小さくなり調整がしやすくなっています。 発振段の電源電圧は3.3Vで、安定用に精密シャントレギュレータTL431CLPを使用しています。 当初ツェナーダイオードを使用しましたが、3.3Vのものはツェナー電圧の温度特性があまり良くないことが判り、温特が1桁改善できるので変更しました。 電圧設定用抵抗も温度による変化の少ない金属皮膜抵抗を使用しています。 発振部のコンデンサは周波数への影響が大きく、部品選択と入手が問題でした。 温度で容量が変化しないマイカコンとコイルの温特を補償するためのスチロールコンが幸い入手できたので使用しています。 温度補償セラミックでも代替できますが、いずれのコンデンサも置いている店は少なくなってしまいました。 現在の調整状態は、50.49MHzのビーコンを受信したかったので可変範囲を広く取るほうを優先しています。 日によってダイアル目盛と実際の周波数が少しずれることがありますが、周囲温度が急変する環境でなければ、AMではまったく問題ないQRHに収まっています。 出力電圧は負荷をつないで300mVppあり、スプリアスは測定限度以下でした。 6 受信系 (1) RXユニット ローノイズのRFアンプに耐入力の大きいミキサ、ハイフレのシングルスーパ構成というアイデアで作りました。 ミキサのNJM2594MがSMD(表面実装部品)なのと、クリスタルフィルタのキャパシタにQの高いコンデンサが必要ということでチップ品を選択したので、トランジスタとオーディオパワーアンプ386DもSMDを使うことにしました。
RFアンプは市販プリアンプにも使われる3SK131です。 手持ちがあり、苦労せずに性能が出せるだろうということで使っています。 ミキサには、通常運用で受信信号が80dBuVに達することはまずありませんので、RFアンプでの増幅分を加えたレベルが扱えるJRCのNJM2594Mを使いました。 仕様では107dBuV程度まで入力でき、変換ロスがありませんので後のIFアンプも楽になります。 3SK131自体にはAGCは掛けておらず、IF信号を元に前段のPINダイオードATTでAGCを掛けています。 ATTの最大減衰量は30dB程で、59+10dB付近から徐々に効く様に調整しました。 IFフィルタは10.695MHzの水晶で組んだ6素子ラダー形で、中心周波数10.693MHz、-6dB帯域幅6.8kHz、インピーダンス約500Ωです。 帯域幅6kHzから計算したコンデンサが半端な値になりましたので、標準系列の近い値に変更した結果6.8kHzになりました。 フィルタの特性を良くするにはマイカかチップコンですが、チップコンが圧倒的に安いので考える余地無しでした。 *水晶フィルタに使うコンデンサの値は、今回使用した水晶に合わせて決定したものです。 IF段は、NJM2594Mの変換利得が無い分とフィルタのロス分を稼ぐため、2SC2715Yの3段増幅としました。 やはり3段増幅は発振しましたので、Qダンプして発振を止めてあります。 IF-AGCの動作は、Sメータ振れ具合との兼ね合いもあって、定数を決めるのが大変でした。 この調整をやってみて、LA1600のありがたみを改めて感じています。 SメータはJST-245に合わせてS9=22dBuVに設定してあり、指示がS9+10あたりで飽和しますので、強い信号の差は判りません。 受信調整はSGで概ねピークに調整し、次に変調したノイズジェネレータで、受信音声が最大になるよう調整しました。 ノイズジェネレータ(回路は→ここ)は以前ホームページに掲載していたもので、簡単にS/N最良点に調整できるので重宝しています。 今回の周波数構成ではイメージ周波数が29MHzFMバンドに重なります。 トラップを入れて対策しましたので、まず聞こえることは無いはずです。 感度はユニット単体では0.5uV(@S/N10dB,1kHz30%変調)ありますが、ケース組込後にヘリカルアンテナでの送信対策やイメージ混信防止用トラップ挿入などで0.8uVになりました。(市販機が1uV前後です。) 実際に信号を受信してみると、クリスタルフィルタのリップルのため最大感度の点とフィルタ中心がずれていますが、感度はフィルタ中心での数値です。 本機では送信局発をBFOとして働かせることで、ゼロインとフィルタ中心での信号受信が同時にできるようにしてあります。 せっかくディスクリートで組んだので、昔お世話になったANLを復活してみました。 動作レベル固定のANLなので効きはそれなりですが、幾分かノイズがマイルドになっています。 この基板では、通常運用では稀な高いレベルの信号が入った場合、基板内の飛び込みで、受信範囲の何処でも聞こえると言う現象がでました。 後述の送信部と同様にグランドを補強をして抑え込みましたが、片面基板では限界なのかもしれません。 【送受信切替時のノイズ対策】 今回のセットでは、送受切替時の大きなノイズが出ないよう対策をしました。 受信→送信のノイズは、スピーカマイクなのを幸いに、PTTスイッチでスピーカを切り離しています。 タイミングとしてはスピーカが切れて送信に切り替わるのでノイズは出ません。 送信→受信のノイズ源は2種あります。 1つは受信機のパワーアンプに電源が掛かった時に出るもので、これはボリウムを絞ってもノイズはなくなりません。 対策としてJR3TGS局が発表されているLM386Dの7番ピンでミュートする方法【注】を使わせていただきました。 短時間送信ですと、コンデンサの放電が間に合わなくてノイズが出ることがありますが、概ね1秒以上送信すればノイズは出ません。 【注】この回路はメーカー推奨の使用法ではないので自己責任で使用してください。 もう一つは前段の通電に伴うノイズで、ボリウムを絞ると聞こえなくなります。 ボリウム後のスケルチ用音声SWに送信時に電圧を掛けておいて、受信頭まで遅延してミュートさせることで抑圧しました。 PTT操作での「パツッ」という大きな音が取れて快適になりました。 【不要輻射】 ケースに入れた後に、受信機の不要輻射を観測しました。 シングルスーパなので局発であるVXOの原発振(20MHz)、局発周波数(40MHz)、それらの高調波しかないはずで、実際に40MHzの漏れ-87dBm以外は観測できず、非常に少ない状態でした。 法令規制値は-54dBmです。 回路や構造で特に対策はしていません。
(2) RF-AGC/SQユニット RF-AGC用のPINダイオード制御回路とスケルチのミュート信号を発生するユニットです。
RF-AGC制御回路は、IF-AGCが掛かったIFアンプのコレクタ電圧を取り出し、PINダイオードの電流を減少させてアッテネータとして働かせるように制御してます。 この方式は強力な信号を受信した場合、潰れずに聞こえる信号強度の幅が広くなりますが、同調範囲外の信号には効果がありません。 マニュアル制御を併設するとさらに良いのかもしれません。 スケルチ回路は同じ入力とスケルチボリウムからの電圧をオペアンプで比較して、ミュート信号を発生します。 ミュートは音声SW(MOSFET)とNJM386D(=LM386D)のミュートを併用しています。 (3) マーカユニット 受信機の付属回路として50.620MHzマーカ発振器を搭載しました。 運用周波数と目盛のずれ具合が確認できるので、マーカがあると安心できます。
発振に使った水晶は既製品の50.620MHzHC49u形3rdオーバートーン用水晶で、以前送信機に使った時に周波数が合わせきれず、ジャンク箱に入っていたものです。 回路が簡単で可変範囲を取れるということで、無調整発振回路で基本波を発振させ、高調波をマーカに利用しています。 バッテリ側の内部写真で取付け状態が見えますが、高さを抑えるため水晶を斜めにしてあります。 水晶に巻いてあるウレタン線は保持用(のつもり)です。 受信部とは特に結合はしていませんが、なんとか拾えています。 7 送信系 (1) TXユニット このユニットには送信局発、送信ミキサ、電力増幅部、変調トランスを除く変調部、PTT回路、送受切替リレー、送受信用定電圧回路が載っています。
送信部は深く考えずにスタートしたため、入手性にやや難がありますが、冒険を避けて製作例の多いトランジスタを使って構成しました。 送信局発とVXO信号をNJM2594Mで混合し、2SC1906-2SC2053-2SC1957の構成で、出力500mW(無変調、外部13.8V時)です。 送信局発はBFOとしても使用します。 変調アンプは受信部のNJM386Dより出力が大きいLM386N-4(NJM386BD相当)です。 出力は足りていますが余裕がないので、送信段の調整不良で効率が悪かったり、RF出力が500mWを大きく越えると、変調電力が不足する可能性があります。 出力の増加を期待してLM380N-8も実験しましたが、LM386N-4とほぼ同様でした。 送信ユニットでもLM386N-4の通電ノイズを抑圧するため、受信ユニットと同じ回路を実験しました。 送信頭のノイズは取れたのですが、アンプの音声出力が通常より低い出力でクリップするようになったため、変調機には応用できませんでした。 LM386N-4前段のカットオフ3kHzのローパスフィルタで高域を制限し、変調各段のカップリングコンデンサを調整して低域も適当に切っています。 了解度に影響が少ない低域を切ることでLM386N-4の負担を減らす目的ですが、音量感が減るため変調度の割に浅めに聞こえます。 変調パワーに余裕が無いのでやむを得ないところです。 終段コイルですが、今回の回路では当初使ったFINAL50(FCZ)でパワーを十分出せなかったのと中止品ということで、調整時にトロイダルコイルに変更しています。 出力メータ用にトロイダルの中にウレタン線を1本通して電磁結合で拾っています。 コイルデータは回路図をごらんください。 ここまではダミーロードで調整していますが、アンテナを直付けすると異常発振する場合があります。 アンテナ端子とパラにコンデンサを入れると、ダミーの時より出力がやや下がりますがどちらでも安定に働くことを経験していますので、今回も同様な対策をしています。 アンテナ端子にコンデンサを付けると効くのですが、受信感度が下がるので小容量にとどめ、リレーのTX側に不足分を付加しました。 このあたりは実装状態で変わるかもしれません。 調整前と組込後の写真を見比べると判りますが、熱対策としてドライバにも小さな放熱板を取付け、終段用は配線取り回しの都合で当初より短くなっています。 放熱器が温まりますので効果は出ているようで、連続送信では多少パワー低下がありますが壊れずに働いています。 【変調波形と送信スプリアス】 下の写真はケース組込・調整後の変調波形とスプリアスです。 LM386N-4のパワーの余裕が無いため、音声信号を上げていくと、基線が見えはじめて暫くでクリップが始まります。 振幅制限を掛けていますので、実際の音声で深く変調が掛かることが少ないためか、聴感上気になる歪みは感じられません。 目立つスプリアスは、40MHz付近-26dBm(VXOの漏れ)、43MHz付近-27dBm(局発の4倍)の2つで、スプリアス規制値-13dBmには余裕があります。 その他2次、3次高調波などが見えていますが、全て-30dBm以下でした。 スプリアスに関しては出力のピーク調整だけでは追い込みきれず、出力との兼ね合いを見ながら追い込む細かな調整が必要でした。 変調を掛けることで高調波のレベルが増加しますが、規制値には収まっています。 VXOの漏れは、DBMが正常に働いていて出てくる量です。 次に作る時には40MHzのトラップなどの対策を考えようと思います。 局発の4倍42.77MHzはミキサレベルが高いために生じたDBM-IC内部の歪みで、終段の出力が少し下がりますが、ミキサレベルを少し下げると大幅に改善することが判っています。 そのほか、今回の送信基板内での飛び込みが多く、グランド補強のジャンパを飛ばして抑えこみました。 問題点と対策が見えてきましたので、次回製作の機会があれば、もう少し良いものが作れそうです。
(2) AF-ALCユニット 東芝TA2011Sによりマイク音声の増幅と振幅制限を行うユニットで、TXユニットのマイク端子に接続して使用します。
TA2011Sはその特性上コンプレッサではなくリミッタ動作です。 アタックタイムが遅いのは欠点ですが、簡単な回路で過変調を少なくできるので重宝なICです。 接続するマイクはダイナミックでもエレクトレットコンデンサでも対応可能で、今回は出力側ATTによりユニット入出力が同レベルにしていますから、既存送信機のマイク端子にそのまま取付けられます。 TXユニットのマイク電源は、電流が無駄なので電源側の抵抗をカットして働かないようにしました。 TA2011Sの出力自体は大きいので、ATTを外せば送信ユニットのマイクアンプを省くこともできます。 8 エクステリア 運用時の装備例です。 マイクハンガとショルダベルトを取り付けて持ち歩きやすい様にました。
マイクハンガとショルダベルトの取付金具はアルミ板を加工して作り、ケースを止める化粧ネジで共締めにしてあります。 ショルダベルトは切売りの20mm幅ポリプロピレンベルトと樹脂製アジャスタ(2個使用)です。 写真のアンテナ(全長16cm)は、普段BNCの蓋を兼ねて装着しています。 1/4λのホイップより当然ゲインは落ちますが、短いのでフットワークで信号の強い場所を探すには好都合です。 写真の状態で乾電池込みの重さは1.2kgでした。 |
◇主な交信実績◇ 運用期間が短いので実績は少ないですが、実用性は確認できました。 相模原市〜伊勢原市 約 13km 相模原市〜豊島区 約 40km 相模原市〜神戸市Es 約390km 相模原市〜下関市Es 約780km 相模原市〜徳島市Es 約470km 相模原市〜天塩郡遠別町Es 約1040km |